抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ミズクラゲAurelia sp.1は本邦沿岸海域に最も普通に見られるクラゲであり,東京湾と並ぶ日本南岸の大きな内湾である伊勢・三河湾では,ミズクラゲによる漁業被害や臨海発電所の取水口を塞ぐなどの産業への影響が報告されている。伊勢・三河湾における水産重要魚種のイカナゴやカタクチイワシはミズクラゲ類と同じ栄養段階にあり,クラゲ類の大量発生はこれらの魚種資源の低下に大きくかかわることが考えられる。しかし本海域では,これまで長期的なミズクラゲの時空間分布に関する報告は断片的にしかなく,主要魚種の資源変動に及ぼす影響や,大量発生の予測や制御に関する知見はほとんど得られていない。そこで本研究では伊勢,三河湾におけるミズクラゲ発生量の経時変化を海洋環境データと対比させ,そしてミズクラゲの発生時期を特定した上でその後の成長,成熟過程を環境要因と対応させて解析し,ミズクラゲ個体群が最大となる夏季の現存量を決定付ける要因を明らかにするとともに,ミズクラゲ大量発生のカギとなるポリプの付着場所の把握やポリプの増殖に及ぼす環境要因を解明することを目的とした。本講演では2007年の4月から10月にかけて実施したミズクラゲの水平分布調査結果を速報する。(著者抄録)