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J-GLOBAL ID：201702281211559974   整理番号：17A0789052

施肥管理を通じたサトウキビの糖度向上に関する研究 第3報.塩化カリおよび硫酸カリが圃場栽培サトウキビの糖度および搾汁液中イオン含有量に与える影響

著者 (6件)： 渡邉健太 (琉球大 農) ,  渡邉健太 (鹿児島大 大学院連合農学研究科) ,  寳川拓生 (琉球大 農) ,  寳川拓生 (鹿児島大 大学院連合農学研究科) ,  上野正実 (琉球大 農) ,  川満芳信 (琉球大 農)
資料名： 沖縄農業  (Journal of Okinawa Agriculture)
巻： 48  号： 1  ページ： 45-56  発行年： 2017年02月10日 
JST資料番号： L6503A  ISSN： 1344-1477  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 既報において,ポット条件下ではカリ肥料の違いによりサトウキビの品質に与える影響が異なり,塩化カリ(KCl)が過剰に施肥された場合のみ糖度低下が確認され,硫酸カリ(K₂SO₄)施肥区ではそのような傾向は見られなかった。そこで,圃場条件下での再現性の有無や収量への影響を明らかにするためカリ肥料の種類および施肥量を変更した圃場試験を行った。試験1では施肥量は変えずカリ肥料にKClおよびK₂SO₄を用いた区を設定した。搾汁液中K⁺,Cl^-含有量と糖度との間には有意な負の相関関係が認められたが処理による違いは見られなかった。試験2ではKCl,K₂SO₄を0,6,18および60kg 10a^-1施肥した区を設けた,KCl施肥量の増加にともない搾汁液および土壌中K⁺,Cl^-含有量は増加する傾向が見られた。また,試験1と比べ明確ではなかったものの搾汁液中K⁺,Cl^-含有量と糖度との間に負の相関関係が確認された。KCl 60kg 10a^-1区は甘蔗糖度,原料茎重,可製糖量が最低であった。以上より,圃場条件下でもK⁺,Cl^-は糖度を低下させ,K⁺,Cl^-が過剰に蓄積している圃場では収量と品質の両方に悪影響を及ぼすことが明らかになった。その様な圃場に対してはKCl減肥によって糖度増加が可能であると考えられたが,施肥管理の面からだけでなく栽培環境全体のK⁺,Cl^-を減らす工夫も必要である。(著者抄録)

シソーラス用語： *サトウキビ ,  *土壌管理 ,  カリ肥料 ,  塩化カリウム ,  硫酸カリウム ,  *糖汁 ,  *糖度 ,  イオン ,  カリウム化合物 ,  金属イオン ,  硫酸イオン ,  二糖類 ,  ピラノシド ,  フラノシド ,  グルコシド ,  フルクトオリゴ糖
準シソーラス用語： *施肥管理 ,  塩化カリ ,  硫酸カリ ,  *サトウキビ搾汁 ,  カリウムイオン ,  塩素イオン

分類 (2件)： 糖料作物  (FC03072N) ,  植物の生化学  (EH01050J)

物質索引 (1件)： 蔗糖

引用文献 (21件)：

• Akhtar, M. and Akhtar, M. E. 2002. Effect of different levels of potassium on agronomic traits, productivity and quality of sugarcane (Saccharum officinarum L.). Asian J. Plant Sci. 1: 349-351.
• Almeida, H. J., Cruz, F. J. R., Pancelli, M. A., Flores, R. A., Vasconcelos, R. L. and Prad, R. M. 2015. Decreased potassium fertilization in sugarcane ratoons grown under straw in different soils. Aust. J. Crop Sci. 9: 596-604.
• Golabi, M., Naseri, A. A. and Kashkuli, H. A. 2009. Mathematical modeling of the relationship between irrigation water salinity and sugarcane juice quality. J. Food Agric. Environ. 7: 600-602.
• Goos, R. J. 1987. Chloride fertilization: the basics. Crops Soils 39, 12-13.
• Hallmak, W. B., Williams, G. J., Hawkins, G. L. 2001. Effect of potassium sulfate vs. potassium chloride on sugarcane yields across two years. Sugarcane research annual progress report 2001. 173-183.

タイトルに関連する用語 (10件)： 施肥管理 ,  サトウキビ ,  糖度 ,  研究 ,  塩化カリ ,  硫酸カリ ,  圃場 ,  栽培 ,  搾汁液 ,  含有量