抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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現在,三次元コンピュータグラフィクス技術は工学,物理学,医学,映画産業,ゲーム産業等,多岐にわたる分野において必要不可欠な技術となっている。近年のエンタテインメントの分野においては,製作したモデルをいかに「それらしく」動かすかというアニメーション技術への関心が高まっている,これらの映像表現では,多くの場合,生物のように自らの意思によって自律的に行動する物体に対するアニメーションを対象としているが,これらの動体物に対する物理アニメーションの生成手法は未だ研究段階にあり,実用段階には至っていない。この実現にあたり,これらの動体物を自律エージェントとして取り扱い,単純な演繹ルールの組み合わせや,人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Network,ANN)の利用によって自律的に物体のモーションを生成するエージェントベースのアプローチが有効であると考えられ,多くの研究者によって研究が進められている。しかしながら,これらの既存研究はいずれも直方体や球体を組み合わせた基本的な形状を持つモデルに対するモーション生成を対象としており,自由に製作された複雑な形状を持つモデルに対してモーションを生成する研究は行われていない。また,これらの研究では物理環境を考慮せず,重力や慣性力等の簡潔な力のみを実装することが多い。そこで本研究では,空気や水等,流体から受ける抗力を備えた仮想物理環境を構築し,水と空気が混在する複合環境において任意の形状を持つ人工生物モデルの行動獲得実験を実施した。仮想物理環境には,重力,摩擦力,慣性力などの基本的な力の他に,水や空気等の流体から受ける影響力として浮力と慣性抵抗,粘性抵抗について考慮した。人工生物モデルには水中に於ける遊泳,および地上に於ける歩行行動が可能なイモリを模したSalamander modelを採用した。Salamander modelの左右の目の位置には視覚に相当する合計二つの光センサが取り付けられており,環境内に設置した光源からの光の強度を認知し,コントローラに入力信号として伝える。また,筋肉に相当する回転3自由度を持っアクチュエータを13備えており,これらのアクチュエータはコントローラからの出力トルクによって駆動する。...(著者抄録)