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J-GLOBAL ID：201402256482399394   整理番号：14A0829905

晩氷期の鳥海山における植生復元およびグイマツの立地環境

Vegetation reconstruction during the Last Termination on Mt. Chokai, northeastern Japan and habitat of Larix gmelinii

著者 (5件)： 吉田明弘 (明治大 黒耀石研究セ) ,  佐々木明彦 (信州大 山岳科研) ,  大山幹成 (東北大 植物園) ,  箱崎真隆 (名古屋大 年代測定総合研究セ) ,  伊藤晶文 (山形大 人文学)
資料名： 植生史研究  (Japanese Journal of Historical Botany)
巻： 23  号： 1  ページ： 21-26  発行年： 2014年07月10日 
JST資料番号： L5752A  ISSN： 0915-003X  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 短報  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 秋田県と山形県の県境にある鳥海山で発見された2層の泥炭層の放射性炭素年代測定をおこなうとともに,これらの層の花粉分析と木材化石の同定をおこなった。その結果,下位泥炭層の最上部は約1.4万年前,上位泥炭層は1.4~1.1万年前に堆積したものであった。下位泥炭層が堆積した頃は,晩氷期の温暖化に伴い亜寒帯性針葉樹に代わってカバノキ属,ハンノキ属,カエデ属などの落葉広葉樹の低木を主体とする偽高山帯のような植生が広がったと推察した。そして,上位泥炭層が堆積した頃は,亜寒帯性針葉樹がほとんど消滅し,カエデ属やガマズミ属の低木や草本植生を主体とする植生に覆われたと推察した。上位泥炭層に認められたカラマツ属の木材化石はグイマツ(Larix gmelinii)と考えられ,温暖化により他種の侵入が困難な湿地に分布域を移動させた可能性が高いと考えた。

シソーラス用語： 秋田県 ,  山形県 ,  火山 ,  泥炭層 ,  絶対年代 ,  花粉分析 ,  花粉化石 ,  植物化石 ,  *最終氷期 ,  古生態 ,  *植生変遷史 ,  生態遷移 ,  *植生 ,  フローラ ,  カラマツ属 ,  湿地
準シソーラス用語： Larix gmelinii ,  グイマツ ,  植生変遷 ,  鳥海山 ,  *晩氷期 ,  放射性炭素年代 ,  木材化石

分類 (2件)： 新生代  (DE03040C) ,  植物生態学  (EE02000E)

引用文献 (30件)：

• 伴雅雄・林信太郎・高岡宣雄.2001.東北日本弧,鳥海火山のK-Ar年代-連続的に活動した3個の成層火山-.火山46:317-333.
• 文化庁.1971.天然記念物緊急調査 植生図・主要動植物地図 山形県.文化庁.
• Bronk Ramsey, C. 2009. Bayesian analysis of radiocarbon dates. Radiocarbon 51: 337-360.
• 林信太郎.1984.鳥海火山の地質岩石鉱物鉱床学会誌 79:249-265.
• 林弥栄.1960.日本産針葉樹の分類と分布.246+202pp.農林出版,東京.

タイトルに関連する用語 (6件)： 晩氷期 ,  鳥海山 ,  植生 ,  復元 ,  グイマツ ,  立地環境