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J-GLOBAL ID：201402295684703392   整理番号：14A0553534

洪水時の水田環境を再現した水稲減収尺度推定のための模擬冠水試験

著者 (7件)： 皆川裕樹 (農業・食品産業技術総合研究機構 農村工研) ,  増本隆夫 (農業・食品産業技術総合研究機構 農村工研) ,  堀川直紀 (農業・食品産業技術総合研究機構 農村工研) ,  吉田武郎 (農業・食品産業技術総合研究機構 農村工研) ,  工藤亮治 (農業・食品産業技術総合研究機構 農村工研) ,  北川巌 (農業・食品産業技術総合研究機構 農村工研) ,  瑞慶村知佳 (農業・食品産業技術総合研究機構 農村工研)
資料名： 応用水文  (Applied Hydrology)
号： 25  ページ： 25-34  発行年： 2013年03月22日 
JST資料番号： L3921A  ISSN： 1881-4948  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 本研究では,水稲減収尺度の策定のための基礎データを得ることを目的とした模擬冠水試験手法を提案している。この試験では,実水田内に試験区を設けることで特別な水管理を必要とせず,実際の冠水災害状況に近い環境で試験を行うことができる。試験区は,通常の栽培状態を保つための通常栽培区,および田面標高をあらかじめ掘り下げることで模擬的に冠水状態を再現した模擬冠水区からなる。試験条件は,1)水稲の生育段階,2)完全冠水か葉先露出,3)水の清濁,4)冠水期間によって分類した。農村工学研究所内の毎年通常の水稲栽培が行われている圃場において,現行栽培品種であるコシヒカリを用いた冠水試験を行い,栽培期間中に現れた冠水による生育概況への影響を考察し,各試験条件の収穫後の水稲の全量,全穂重および1穂重を比較した。その結果によると,穂ばらみ期が冠水に対して最も大きい影響を示し,長期間冠水することで葉や茎が枯れ外部形態に大きい変化が生じ,この段階での冠水は大きな水稲減収度合をもたらすと予想された。冠水条件では,穂先が露出している水稲では被害が低減され,水害時の応急対処として効果があるといえる。

シソーラス用語： *水稲 ,  水没 ,  *損害 ,  水害 ,  *シミュレーション ,  成長段階 ,  コシヒカリ ,  収率
準シソーラス用語： 応急対策 ,  *浸水被害 ,  穂ばらみ期

分類 (1件)： 農業土木  (FB02000W)

引用文献 (12件)：

• 茨城県農業総合センター (2010) : 普通作物栽培基準 (含む, 工芸作物), http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/101122sakumotu.pdf (確認日 : 2012/11/05)
• 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所 : イネ品種特性データベース検索システム, http://ineweb.narcc.affrc.go.jp/index.html (確認日 : 2012/11/02)
• 堀江武 (2004) : 新版作物栽培の基礎, 農山漁村文化協会, 58p.
• 水沢誠一, 阿部徳文, 仲山和久, 萩野孝司, 東聡志, 金高正典, 奈良悦子(2006) : 7.13 新潟豪雨による冠水および土砂流入が水稲の生育・収量に及ぼした影響, 北陸作物学会報, 41, pp.149-151.
• 農林水産省大臣官房統計部 (2012) : 平成24年度産水稲の作付面積及び 9 月 15 日現在における作柄概況, http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_kome/pdf/suitou_120915.pdf (確認日 : 2012/11/05)

タイトルに関連する用語 (8件)： 洪水 ,  水田 ,  環境 ,  水稲 ,  尺度 ,  推定 ,  冠水 ,  試験