抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では秋田県内の大規模水田作法人を対象とし,雇用型農業法人における後継者の成長プロセスの特徴について,雇用労働力の労務管理の位置づけに焦点を当てて分析を行った。明らかとなったのは以下の諸点である。第1に,後継者候補は,継承初期段階で農作業遂行とともに雇用労働力に対する農作業の説明や指導といったOJTを担当していた。第2に,その背景には,経営者が雇用労働力に対するOJTを独力で行うのが困難になったことがあると考えられる。法人化により大規模な経営体になることで経営者が生産現場を離れることが多くなった結果,後継者が基本的な作業技術,知識を身に付けた段階で,生産現場の指揮を取らなくてはならず,同時に雇用労働力へのOJTも任せられたと考えられる。第3に,こうした方法では法人において人材養成が適切に進まない危険性を孕む。第4に,雇用型農業法人において,仕事への意欲を向上させ,社員を法人の求める人材として成長させていくためには,後継者候補に早い段階から労務管理やOJTに関するノウハウを学ばせる機会を経営者が用意するとともに,労務管理全般へ後継者候補を積極的に関与させていくことが必要である。(著者抄録)