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J-GLOBAL ID：201602281767543315   整理番号：16A0388894

2光子光電子分光による自己組織化単分子膜上に光励起された電子のダイナミクス計測

著者 (10件)： 渋田昌弘 (慶應義塾基礎科学・基盤工学インスティテュート) ,  平田直之 (慶応大 理工) ,  平田直之 (JST-ERATO) ,  中谷真人 (慶応大 理工) ,  中谷真人 (JST-ERATO) ,  江口豊明 (慶応大 理工) ,  江口豊明 (JST-ERATO) ,  中嶋敦 (慶應義塾基礎科学・基盤工学インスティテュート) ,  中嶋敦 (慶応大 理工) ,  中嶋敦 (JST-ERATO)
資料名： ナノ学会会報  (Bulletin of the Society of Nano Science and Technology)
巻： 14  号： 2  ページ： 49-55  発行年： 2016年03月25日 
JST資料番号： L5734A  ISSN： 1347-8028  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 二光子電子(2PPE)分光法を使ってAu(111)表面上に形成されたアルカンチオラートの自己集合単分子層(SAM)上の光励起電子の動力学を調べた。SAMのスタンディングアップ構造上のイメージポテンシャル状態中の光励起電子が二次元自由電子類似の性質を持つことを見出した。励起された電子の寿命はps以下から100psまでアルキル鎖の長さに応じて伸び,このことはSAMのスタンディングアップ構造が良好な設計可能性を持つ絶縁性有機単分子層として働くことを示している。絶縁体の厚みによる寿命の変化は<10Åにおいて激しく,一方>10Åでは緩やかである。結果は,~10Åにおいて主要な電子の減衰経路が次のようにスイッチすることを示唆する;即ち1)金-硫黄結合(<10Å)にある電子状態との結合,および2)単純なトンネル減衰過程(>10Å)。更に,2PPE測定のエネルギー依存特性から,アルキル層中に形成される界面共鳴が電子の表面への励起経路の役割を果たすことが分かる。

シソーラス用語： *チオール ,  チオラート ,  金 ,  基板 ,  鏡像ポテンシャル ,  アルキル基 ,  *単分子層 ,  鎖長効果 ,  顕微鏡観察 ,  *電子状態 ,  スペクトロスコピー ,  光電子分光法 ,  膜 ,  光ポンピング ,  自己集合
準シソーラス用語： *アルカンチオール ,  アルキル鎖 ,  スタンディングアップ構造 ,  二光子分光法 ,  鏡像準位 ,  光励起 ,  自己組織化膜 ,  走査型トンネル顕微鏡観察

分類 (2件)： 有機化合物の薄膜  (BK14070L) ,  絶縁体結晶の電子構造  (BM02070Y)

引用文献 (19件)：

• Ulman, A.: Chem. Rev. 96,1533 (1996).
• Schreiber, F.: Prog. Surf. Sci. 65,151 (2000).
• Love, J. C., Estroff, L. A., Kriebel, J. K., Nuzzo, R. G. and Whitesides, G. M.: Chem. Rev. 105,1103 (2005).
• Halik, M. and Hirsch, A.: Adv. Mater. 23,2689 (2011).
• Mitsui, M., Nagaoka, S., Matsumoto, T. and Nakajima, A.: J. Phys. Chem. B 110,2968 (2006).

タイトルに関連する用語 (7件)： 2光子 ,  光電子分光 ,  自己組織化単分子膜 ,  光励起 ,  電子 ,  ダイナミクス ,  計測