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J-GLOBAL ID：201602283644282604   整理番号：16A1350042

アラスカ積雪中のブラックカーボンの緯度分布

Black carbon concentrations in snow in Alaska

著者 (13件)： 塚川佳美 (極地研) ,  東久美子 (極地研) ,  東久美子 (総合研究大学院大) ,  近藤豊 (極地研) ,  杉浦幸之助 (富山大) ,  大畑祥 (東大 大学院理学系研究科) ,  森樹大 (東大 大学院理学系研究科) ,  茂木信宏 (東大 大学院理学系研究科) ,  小池真 (東大 大学院理学系研究科) ,  平林幹啓 (極地研) ,  DALLMAYR Remi (極地研) ,  榎本浩之 (極地研) ,  榎本浩之 (総合研究大学院大)
資料名： 雪氷  (Journal of the Japanese Society of Snow and Ice)
巻： 78  号： 6  ページ： 459-478  発行年： 2016年11月15日 
JST資料番号： G0017A  ISSN： 0373-1006  CODEN： SPYOA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 北半球高緯度域における積雪中のブラックカーボン(BC)の測定は,放射影響を推定する上で重要である。しかし従来の分析手法の不確実性により,高精度な観測データは極めて限られている。本研究では,アラスカ広域で2012年から2015年の2月下旬から3月上旬に積雪を採取し,従来法よりも高精度な単一粒子レーザー誘起白熱法を用いて積雪中のBC濃度測定を行った。BC濃度の緯度分布の特徴からアラスカでの観測領域を南部(61.82-63.27°N),中部(63.57-65.9°N),北部(66.56-68.62°N),Prudhoe Bay(70.19°N),Barrow(71.32°N)の5つに分けた。このうち中部地域とアンカレッジ近傍は他の地域に比べて,BC濃度が高くかつBCの質量粒径分布の中央値が大きかった。中部地域のBC濃度と質量粒径分布が他の地域と異なる理由として,フェアバンクスなどの都市からの影響を強く受けていることが考えられる。2012年から2015年の全地点での平均BC濃度は,異なった測定手法を用いた先行研究と比べて20~60%低濃度であった。BC濃度の年々変動は比較的小さく,本研究の結果は近年のアラスカ積雪中の空間代表性の高いBC濃度を示しているといえる。(著者抄録)

シソーラス用語： アラスカ州 ,  *積雪 ,  *カーボンブラック ,  北半球 ,  高緯度 ,  粒度分布 ,  採油 ,  気団 ,  不純物 ,  空間分布 ,  降雪量 ,  指標 ,  放射量 ,  透過率 ,  熱光学効果 ,  粒子 ,  計測 ,  白色光 ,  単一性 ,  *地理的分布
準シソーラス用語： レーザー誘起加熱法 ,  放射強制力

分類 (2件)： 炭素とその化合物  (YB02060D) ,  雪氷学  (DC08000N)

引用文献 (32件)：

• 青木輝夫,2010:極域における雪氷中の光吸収性エアロゾルとその光学特性,エアロゾル研究,25,240-246.
• Bond, T. C., S. J. Doherty, D. W. Fahey, P. M. Forster, T. Berntsen, B. J. DeAngelo, M. G. Flanner, S. Ghan, B. Kärcher, D. Koch, S. Kinne, Y. Kondo, P. K. Quinn, M. C. Sarofim, M. G. Schultz, M. Schulz, C. Venkataraman, H. Zhang, S. Zhang, N. Bellouin, S. K. Guttikunda, P. K. Hopke, M. Z. Jacobson, J. W. Kaiser, Z. Klimont, U. Lohmann, J. P. Schwarz, D. Shindell, T. Storelvmo, S. G. Warren and C. S. Zender, 2013: Bounding the role of black carbon in the climate system: A scientific assessment, J. Geophys. Res., Atmos., 118, 5380-5552.
• Browse, J., K. S. Carslaw, S. R. Arnold, K. Pringle and O. Boucher, 2012: The scavenging processes controlling the seasonal cycle in Arctic sulphate and black carbon aerosol, Atmos. Chem. Phys., 12, 6775-6798.
• Clarke, A.D. and K. J. Noone, 1985: Soot in the Arctic snowpack: A cause for perturbations in radiative transfer, Atmos. Environ., 19, 2045-2053.
• Doherty, S. J., S. G. Warren, T. C. Grenfell, A. D. Clarke and R. E. Brandt, 2010: Light-absorbing impurities in Arctic snow, Atmos. Chem. Phys., 10, 11647-11680.

タイトルに関連する用語 (4件)： アラスカ ,  積雪 ,  ブラックカーボン ,  緯度分布