抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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前記事(日本中性子科学会誌「波紋」Vol.19,No.2,2009)で紹介されているように,中性子反射率(NR)測定は材料深さ方向における密度分布や組成分布を,1nm以下の深さ分解能で,また,非破壊で観測することができる。ここでは,著者らの最近の研究成果である,非溶媒と接したポリメタクリル酸メチル(PMMA)の界面構造について解説する。高分子と液体との界面を検討するために,試料として単分散重水素化PMMA(dPMMA)を用いた。dPMMAはスピンキャスト法により合成石英基板上に製膜した。非溶媒である液体(水,ヘキサン,メタノール)と接したdPMMA薄膜の構造解析および高分子/非溶媒界面における運動性の評価を行った。水を用いた実験では,dPMMA/水界面近傍で水がdPMMA膜に収着し,膨潤していることが観測された。一方,ヘキサンを用いた実験では,dPMMA膜はヘキサンでほとんど膨潤しない。これらのことから,水界面近傍では水で膨潤した層が存在すると結論できる。このdPMMA膜の溶媒接触前後における厚さ変化は,原子間力顕微鏡観察(AFM)に基づいて確認される。また,AFMを用いて,dPMMAのヤング率を深さの関数として検討された。弾性率は液体との界面に近いほど低下していた。