抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,1999年9月21日に台湾中央部で発生した集集地震の際に車籠埔断層の地表変位によって形成された4カ所の滝(岩盤河床の遷急点)の後退速度(E)を検証し,各種環境パラメーターを含む無次元パラメータ(FR)を用いて,その規定要因の検討を行った。滝の侵食の経験式モデル(E=aFR
b)は,流水に関連した環境パラメータ(集水域と降水),滝の形態および河床の強度と共に,流れの侵食力と河床の抵抗力とのバランスを提示している。3カ所の滝の後退率は最初の6年の値(3.3-58.2m/y)からその後の4年の値(22.7-220m/y)に増加している。この後退率の増加は,降雨量の増加と滝の幅の狭小化を含めた環境要素の変化と基本的に調和している。もう一つの滝の後退率は減少しているが,これは河床を人工的に改変したことで説明できる。これらの後退率は他の地域の滝に較べて非常に高く,これは上流域から移動してくる豊富で硬質な河床礫が,断層変位で露出した岩盤の部分において効果的に研磨剤として働いたためであろう。