抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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音楽信号から基本周波数(ピッチ)を推定(音高推定)するために逆ノッチフィルタ(INF)を用いると,リアルタイム処理が可能になるが実環境では倍音を誤推定する。本論文では,基音よりも倍音の出力パワーが著しく大きくなる場合も,人間と同様のミッシングファンダメンタルに対応する倍音構造に基づく音高推定法を提案した。従来のINFを用いた音高推定では各音高に対応したINFの伝達関数を並列接続したシステムを用い,各伝達関数に楽音を入力したときの出力からフレーム内出力パワーを求めている。一方,楽音信号の振幅はフレームごとに大きく変動するので,過去Nフレームまでの出力パワーに指数的に減少させる重みを掛け,得られた出力のうち閾値を超えた音高を基音と仮定した。次に,倍音は基音の音高によらず一定の周波数間隔で出力を生じ,4倍音以降はパワーが小さくなるので基音から3倍音までのINF出力を加算した。倍音のパワー和と音高の関係から基音を正しく選択した場合のINF出力が最も大きくなるので,基音よりも倍音の出力パワーが著しく大きくなるときの音高を除去でき,多数の倍音が生じる和音に対しても基音を正確に推定できる。音高推定シミュレーションによってピアノ,及びギターによる単音及び4和音の推定正解率と精度を求めたところ,どの音源に対しても90%以上が得られた。