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J-GLOBAL ID：201802210478249978   整理番号：18A2020438

近代木造建築における筋かいと木ずり漆喰を併用した耐力壁の破壊特性と耐力発現機構に関する一考察

EXPERIMENTAL STUDY ON LATERAL PERFORMANCE OF SHEAR WALL OF MODERN TIMBER ARCHITECTURE COMBINED WITH BRACE AND PLASTER USING WOOD LATH

著者 (4件)： 瀧野敦夫 (奈良女子大学) ,  下川千晴 ((株)大建設計) ,  石山央樹 (大阪市立大学) ,  中野隆之介 (中部大学)
資料名： 日本建築学会構造系論文集  (Journal of Structural and Construction Engineering (Transactions of AIJ))
巻： 83  号： 752  ページ： 1477-1485(J-STAGE)  発行年： 2018年 
JST資料番号： F0393B  ISSN： 1340-4202  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 本研究では,筋かいと木ずり漆喰を組合せた近代木造建築物の耐震剪断壁の面内剪断試験を実施し,破壊モード,変形性能および強度特性を検討した。試験体を図1と表1で示した。2種類の金物を筋かいの継手に使用した(図2と図3を参照)。試験体1は,既存の建築物で示されているように,接合金物を有する筋かいだけを用いた壁である。試験体2は,継手に補強金物を有する筋かいだけを用いた壁である。試験体3は,木ずりを用いた漆喰だけの壁である。試験体4は,筋かい(既存の接合金物)と木ずり漆喰を組み合わせた壁である。試験体5は,筋かい(補強金物)と木ずり漆喰を組み合わせた壁である。本研究から得られた結果は,以下の通り要約される。試験体1では,接合金物は初期の層間変形角で回転し(写真3を参照),軸力は引張筋かいに作用しなかった。1/30radの層間変形角において,圧縮筋かいが梁を押し上げるので,梁は曲げモーメントによって破壊した(写真4を参照)。試験体2では,強度特性が継手部における補強金物によって劇的に改善された(図8を参照)。しかし,試験体1で示されたものと同じ梁の曲げ破壊が1/50rad.の層間変形角で発生した。試験体3では,圧縮応力のために多くの亀裂が漆喰の隅角部に現れた(図11を参照)。漆喰の強さは1/100radの層間変形角で最も高く,1/100radのそれの後に荷重は急減した。しかし,木ずりが柱と接触したため,1/50radのそれの後に荷重は再び増加した(図10を参照)。試験体4では,漆喰の中央領域に対角線上の亀裂が最初に発生し,つぎに,漆喰の隅角部に亀裂が発生した(図13を参照)。しかし,1/100radの層間変形角での亀裂の数は,試験体3のものより低かった。試験体5では,漆喰の隅角部の亀裂が1/75radの層間変形角で発生した(図15を参照)。筋かいの剛性を増加させることによって圧縮応力が減少すると考えられる。筋かいと漆喰を組み合わせた壁の強さは,筋かいと木ずり用いた漆喰のそれぞれの強さの合計と良い一致を示した。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： 耐震壁 ,  剪断壁 ,  壁材 ,  消石灰 ,  ブレース ,  建築物 ,  *木構造 ,  *耐力壁 ,  剪断試験 ,  剪断 ,  *破壊モード ,  層間変形角 ,  破壊 ,  耐震設計 ,  枠組壁構法 ,  建築金物 ,  金具 ,  補強部材 ,  曲げ破壊 ,  漆喰 ,  面内せん断 ,  木造建築物 ,  補強金具
準シソーラス用語： ラス ,  補強金物

著者キーワード (12件)： 近代木造 ,  筋か ,  漆喰 ,  木す ,  耐力 ,  耐震 ,  現代の木造建築 ,  装具 ,  プラスタ ,  木材のラス ,  せん断壁 ,  耐震補強

分類 (2件)： 木構造  (RA04020P) ,  壁  (RB03020L)

引用文献 (26件)：

• 1) Miyataka Y., et. al : Structural test of wooden school building built before the WW2, (Koyaguchi Elementary School, in Wakayama Prefecture), Summaries of Technical Papers of Annual Meeting, Architectural Institute of Japan, F-2, pp. 373-374, 2005.9 (in Japanese)
  宮高芳信他3名 : 戦前に建てられた木造校舎の構造実験-和歌山県の高野口小学校を事例として-, 日本建築学会大会学術講演梗概集, F-2, pp. 373-374, 2005.9
• 2) Ito A., et. al : Structural Performance Evaluation on Existing Wood School Buildings -A Case Study on Coefficient of Joint Decreases-, Summaries of Technical Papers of Annual Meeting, Architectural Institute of Japan, Structures-III, pp289-290, 2010.9 (in Japanese)
  伊藤梓, 荒木康弘, 田淵基嗣 : 既存木造学校校舎の耐震性能評価-接合部低減に関する検討-, 日本建築学会大会学術講演梗概集, 構造III, pp. 279-280, 2010.9
• 3) Araki Y., et. al : Experimental Study of earthquake resistant elements for structural performance evaluation of existing wood school building, Summaries of Technical Papers of Annual Meeting, Architectural Institute of Japan, Structures-III, pp289-290, 2010.9 (in Japanese)
  荒木康弘他3名 : 既存木造校舎の耐震性能評価のための耐震要素の実験的研究, 日本建築学会大会学術講演梗概集, 構造III, pp289-290, 2010.9
• 4) Ito A., et. al : E-Defense shake table tests of existing timber school buildings Part1-6, Summaries of Technical Papers of Annual Meeting, Architectural Institute of Japan, Structures-III, pp. 513-524, 2011.8 (in Japanese)
  伊藤梓他8名 : 既存木造校舎に関するE-ディフェンス実験 その1-6, 日本建築学会大会学術講演梗概集, 構造III, pp. 513-524, 2011.8
• 5) Inoue M., et. al : Investigation on structural Safty of Wooden Schoolhouse in Oita Prefecture Part. 1-2, AIJ Kyusyu Chapter Architectural Research Meeting, pp. 277-280, 2001.3 (in Japanese)
  井上正文他4名 : 大分県内に現存する木造校舎の構造安全性調査 その1-2, 日本建築学会九州支部研究報告集, pp. 277-284, 2001.3

タイトルに関連する用語 (9件)： 近代 ,  木造建築 ,  筋かい ,  漆喰 ,  併用 ,  耐力壁 ,  破壊特性 ,  耐力 ,  発現