抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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極低角度入射イオンビームスパッタオージェ深さ方向分析による実用材料の評価について検討するために,HfO
2/Si基板の分析を行った。その結果,Arイオンビームの入射角度7°,加速電圧2.0kVおよび3.0kVで測定したO KLLの界面プロファイルは非常に急峻であり,その深さ分解能は0.9mmおよび1.5nmで,一般的な入射角度51°で行った深さ方向分析に比べて良好な深さ分解能が得られた。ただし,本検討で最も低損傷なスパッタ条件と期待される極低角度イオン入射条件かつイオン加速電圧0.5kVでもスパッタリングによるHfO
2の還元を抑制できなかった。HfO
2の還元は,酸素の選択スパッタリングに因るものであるが,その選択スパッタリングの程度はイオン入射角とイオン加速電圧に依存することがわかった。極低角度イオン入射条件では,O KLLとHf NVVのデプスプロファイルの強度比はイオン加速電圧に大きく依存し,イオン加速電圧が低いほどHfよりもOが選択スパッタされやすいことがわかった。一方,一般的な入射角度条件では,選択スパッタリングの程度はイオン加速電圧にはあまり依存しなかった。イオン入射角度の違いによる選択スパッタリングの程度の差は,そのスパッタリングモデルの違いに因ると推定した。O KLLデプスプロファイルは界面付近において選択スパッタで減少した酸素強度の部分的な回復とHf NVVオージェスペクトル形状変化に見られる再酸化を示すことがわかった。その要因はイオンスパッタにより界面付近に存在する拡散層が分解されることによって生じる酸素に関係していると考えられる。また,本計測法ではイオンビーム照射により重元素HfがSi基板へ入り込む反跳注入の影響が非常に少ない測定を実現できると考えられる。(著者抄録)