抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2011年から科学運用を開始したALMAは,ミリ波・サブミリ波帯域においてこれまでにない高感度・高空間分解能観測を実現する測器であり,太陽系天体のリモートセンシングにおいてもブレイクスルーをもたらすと考えられる。観測毎に蓄積されるキャリブレーション観測データを科学観測用途に転用することで,周波数・時間・天体方向に対して巨大な太陽系天文学観測データの入手が可能となる。一方で,そのデータ容量は膨大であり,最終段階までデータ処理を行わなければデータ品質の見極めが困難であり,大量のデータ処理を可能にするソフトウェア・ハードウェアを必要とすることが分かった。我々はALMAキャリブレーション観測データの科学観測への転用を目指し,データ処理の歩留まり向上とバッチ処理化,そして専用システムの構築に取り組んだ。キャリブレーション観測データを生データからfitsファイルおよびクイックルック用画像ファイルまで処理するシステムを構築し,海王星のBand6以上のデータについては公開済み全ファイルの処理を終了した。大容量データに対応するスケーラビリティと高速性を持つSASストレージを導入し,広く用いられている1Gbpsのネットワーク接続ストレージと比べて,最も処理時間のかかるプロセスであったキャリブレーション処理時間を19-36%に短縮させることに成功した。さらに,同プロセスの並列化により,処理時間を約13%に短縮した。これにより,研究室で保有できる程度の計算機システムにより,現実的な時間でALMAキャリブレーション観測データの悉皆的解析を行うための道筋をつけることができた。(著者抄録)