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J-GLOBAL ID:201902284983013024   整理番号:19A0296653

単純組成で創る強誘電体

Ferroelectric Materials with Simple Chemical Composition
著者 (3件):
資料名:
号: 32 12月  ページ: 95-103  発行年: 2018年12月 
JST資料番号: L5491A  ISSN: 0919-3383  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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近年新たなマルチフェロイック材料として高い磁化と分極を有するε-Fe2O3型酸化物が注目されている。特に分極反転機構は特殊であり,分極反転時にカチオンの配位数を変化させるというモデルが提案されている。既存のモデルはエネルギー的に不適当と考えられており,新規モデルが提案されているが未だ実験的に確認されてはいない。また,これまでにε-Fe2O3型酸化物ナノ粒子へ遷移金属元素置換を行うことで磁気特性の向上が報告されている。しかし,バルク体における研究は強誘電性の測定が困難であったため調査が行われていなかった。そこで本研究では強誘電性測定が容易である薄膜の作製を行い,遷移金属Cr置換ε-Fe2O3型酸化物薄膜の磁性と強誘電性の調査を行った。XRDの結果,すべての薄膜はε-Fe2O3型構造であり,Cr量が増加するに従って格子定数は減少した。また面内に3回対称のドメイン構造を有する事が分かった。これはSrTiO3基板の対称性に準じて成長しているからであった。また,XMCDおよびXASの結果,Feの配位数はγ-Fe2O3とα-Fe2O3の中間であり,4配位と6配位の両方が存在することが推測された。Ga0.5Cr0.5FeO3のFeL3におけるXMCDスペクトルは708.6eVと710.3eVの2つにOhに由来する負方向のピーク,709.6eVにTdに由来する正方向のピークが確認できる。このピーク形状はTdとOhの両方を有するγ-Fe2O3に類似の結果であることから,Ga0.5Cr0.5FeO3においてFeイオンはOhサイト(A,B,Cサイト)及びTdサイト(Dサイト)にそれぞれ存在することが明らかとなった。一方GaFeO3ではほとんどのFeイオンがOhサイトに存在している。実際,バルクによる先行研究において,各サイトでのFeイオンの比はA:B:C:D=0.43:0.32:0.23:0.02であり,Tdサイト(Dサイト)にFeはほとんど存在しない。そのため,今回の結果からCr置換を行うことで,Ohサイトに存在したFeイオンがCrイオンによって追われてTdサイトへ移動したと考えられる。また,XMCDスペクトルの総和は負であるため,トータルの磁気モーメントは磁場に平行であることを表している。また,負のピークはOhサイトのFe由来であるため,Ferri磁性を考慮すると,磁気モーメントの大小関係はMFe,B+MFe,C>MA,Fe+MD,Feと表すことができる。さらにく全ての組成で明瞭なP-Eヒステリシスカーブの測定に成功した。また,反転に伴って明瞭な反転電流が確認されたため,室温において強誘電性を有することを示す結果となった。更なる強誘電性の検証のために,PUND測定を行い,分極反転を示す結果となった。分極反転機構は2種類のタイプが理論的に予想されており,4配位(Dサイト)と6配位の配位環境の入れ替えに注目すると,既往の研究では,DサイトとCサイトが入れ替わることが報告されている。これに対して,共同研究者である,小西,森分らによる理論計算ではDサイトとAサイトが入れ替わることが予想されている。ここでCrが置換されているサイトを再考すると,BまたはCサイトである。バルクにおけるGaFeO3へのCr置換においては,置換量はカチオン総量の5%程度と少量であるが,Cr3+はCサイトに置換されていることが報告されている。今回はCr置換量が多いこと,そして前述のXMCDと磁気特性の結果からCサイトにCr3+が存在することは明らかである。Cr3+は6配位のみを取るため,分極反転に伴ってCサイトに存在するCr3+が4配位であるDサイトに入れ替わるとすれば分極反転に必要なエネルギーが高くなる,すなわち抗電場が大きくなると予想される。しかしながら今回得られた結果を比較すると,Prおよび抗電界Ecに大きな変化が見られないことが明らかである。したがって,分極反転に伴ってCr3+の配位数変化が生じていないと考えられるため,我々のグループで予想しているDサイトとAサイトの配位数が入れ替わるモデルが実験的に正しいと証明する結果となった。(著者抄録)
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分類 (2件):
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強誘電体,反強誘電体,強弾性  ,  原子・分子のクラスタ 
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