抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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建築物の構造と建設年は,大規模地震時の建物崩壊の確率に関連する重要因子である。したがって,それらは現地調査の結果に基づいて崩壊確率モデル構築のパラメータとして使用される。言い換えれば,詳細な被害推定と防災計画のために,各建築物の構造と建設年を把握することは重要である。しかし,都市におけるすべての建物に対して,そのような詳細な属性情報を持つ地理情報システム(GIS)データは存在しない。したがって,建築物の構造と建設年の両方を推定する方法を開発することは緊急の課題である。本論文では,建築物の構造(3段階,木造,鋼構造および鉄筋コンクリート構造)および建設年(7段階,1962年以前,1963年から1971年まで,1972年から1980年まで,1981年から1989年まで,1990年から2001年まで,2002年から2011年まで,2012年以降)を推定するモデルを,不動産データベース(LIFULL HOME’Sデータセット)から得た外観画像と属性情報を使用して構築した。属性は,各建物の面積,階数,地下階数に関する情報を含むものとする。モデルの正確性は事例を比較することで評価した:建物外観画像データのみが,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)によって得られた場合;そして,マルチモーダル学習が建物外観画像と属性の両方を用いて適用された場合である。さらに,CNN可視化法,Grad-CAMを適用して,活性化熱画像を作成し,各モデルの決定構造を理解するためにそれらを使用した。本論文で得られた主な結果を以下のようにまとめた:(1)建築構造推定モデルの試験データに対する正しい分類(3クラス)の比率は,CNNモデルで76.0%,マルチモーダル学習モデルで78.6%に達した。木造とRC建物では精度は約90%であったが,誤分類の割合は鋼構造建物で比較的高かった。木造および非木造建築の2クラス分類とした場合,全精度は85.9%であった。(2)建設年の推定モデルの試験データに対する正しい分類(7つの段階)の比率は,CNNモデルで約3分の1であり,マルチモーダル学習モデルを使用した場合でも約37%であった。しかし,特定の建設年に関する精度は約50%で,日本の建築基準法が大きく改定された,1981年の前/後で建築物を2クラスに分類した場合の推定精度は,比較的良好(約70%)であった。(3)Grad-CAMを用いた活性化熱画像の作成によって,著者らが構築したモデルの構造を理解することを試みた。建築構造推定モデルに関しては,木造建築は屋根形状に焦点を合せて識別する傾向があり,鋼構造およびRC建物については,窓のような外観要素に焦点を合わせることによって識別する傾向があった。建設年推定モデルの幾つかの場合,焦点は建物外部の地域にあると思われる。その他の場合,勾配値は均一に分布し,学習が不十分であることを示した。将来の研究としては,著者らは,車内/車載カメラからの外観画像にマルチモーダル学習モデルを適用し,属性情報を有する全国の住宅地図データと組合せて,全国の建物の構造と建設年を推定できると期待している。(翻訳著者抄録)