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J-GLOBAL ID:202102234542496673   整理番号:21A1722172

複数施設の生息域外保全による国内希少野生動植物ヤシャゲンゴロウの遺伝的多様性の保持効果

Maintenance of genetic diversity by ex situ conservation of the endangered diving beetle Acilius kishii (Dytiscidae) in multiple facilities
著者 (6件):
資料名:
巻: 26  号:ページ: 157-164  発行年: 2021年05月30日 
JST資料番号: L4819A  ISSN: 1342-4327  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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生息域外保全とは,野外集団で個体数が急減・絶滅した際の備えとして個体を飼育・栽培する活動のことをいい,絶滅危惧種を中心に多数の生物で実施されている。ヤシャゲンゴロウは福井県南越前町夜叉ヶ池でのみ生息が知られており,その希少性から国内希少野生動植物種に選定され,2015年当時石川県ふれあい昆虫館,越前松島水族館,福井県自然保護センターの3施設で生息域外保全が実施されている。本研究では,ヤシャゲンゴロウの野生集団(1995年以前に採集された標本を含む),生息域外保全系統,また比較対象として近縁種であるメススジゲンゴロウの野生集団について14座を用いたマイクロサテライト解析を行い,ヤシャゲンゴロウの生息域外保全による遺伝的多様性の保持効果について明らかにした。ヤシャゲンゴロウ野生集団の遺伝的多様性は,メススジゲンゴロウと比較して低かったものの,1995年以前と2016年で対立遺伝子多様度やヘテロ接合度期待値の大きな減少は見られなかった。ヤシャゲンゴロウの生息域外保全を実施している3施設ではいずれも野外集団よりも遺伝的多様性が低かった。しかし,これらを混合して解析した場合,対立遺伝子の減少は1つのみに留まり,野生集団が持つ対立遺伝子をほぼ保持していた。本研究から,遺伝的多様性を保持するためには,系統の絶滅に対するリスク分散のための複数施設で独立した生息域外保全の実施,また施設間の定期的な生息域外保全個体の交換・混合が重要であることが示された。(著者抄録)
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分類 (2件):
分類
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個体群生態学  ,  自然保護 
引用文献 (39件):
  • 1) Bergsten J, Miller KB (2007) Phylogeny of diving beetles reveals a coevolutionary arms race between the sexes. PloS ONE, 2:e522 doi:10.1371/journal.pone.0000522
  • 2) Collar NJ, Gardner L, Jeggo DF, Marcordes B, Owen A, Pagel T, Pes T, Vaidl A, Wilkinson R, Wirth R (2012) Conservation breeding and the most threatened birds in Asia. Birding Asia, 18:50-57.
  • 3) Cousseau L, Husemann M, Foppen R, Vangestel C, Lens L (2016) A longitudinal genetic survey identifies temporal shifts in the population structure of Dutch house sparrows. Heredity, 117:259-267. doi:10.1038/hdy.2016.38
  • 4) Earl DA, von Holdt BM (2012) STRUCTURE HARVESTER: A website and program for visualizing STRUCTURE output and implementing the Evanno method. Conservation Genetics Resources, 4:359-361. doi:10.1007/s12686-011-9548-7
  • 5) Evanno G, Regnaut S, Goudet J (2005) Detecting the number of clusters of individuals using the software STRUCTURE: A simulation study. Molecular Ecology, 14:2611-2620. doi:10.1111/j.1365-294X.2005.02553.x
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