抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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自動車部品や電子機器の設計では,多種多様な要求性能同時に満足にするために多数の設計変数を決める必要がある.本研究で対象としているブラシモータは0.1~30MHzの周波数帯域で発生するブラシノイズを抑制するためEMI(Electromagnetic Interference)フィルタを使用している.電源とモータとの間のケーブルが1~2mと長い場合,その寄生インダクタンスと搭載フィルタの静電容量との間で共振が発生するため,この周波数帯域ではブラシノイズの抑制だけでなく共振の影響も回避する必要がある.さらに製品によって配線長が異なることや素子の搭載スペースに制限があることに伴い,共振への影響が大きいため,設計値に冗長性をもたせる必要がある.本研究では,まずブラシモータの電源ケーブルを含む高周波等価回路を同定した.次に,同定した等価回路モデルを参照データとしてDifferential-Mode(DM)とCommon-Mode(CM)ノイズの減衰特性とフィルタ定数の関係を応答曲面法を用いて表し,要求性能を満足するEMIフィルタ定数とケーブル長の範囲解を決定した.その際,多目的設計手法の一つであるPreference Set-based Design(PSD)手法を用いた.結果,要求性能を満たすEMIフィルタの定数は得られた範囲解の中央値に対して9%以上の許容範囲を持つ範囲として得られた.これは素子のばらつきを超える範囲であり実用的な結果が得られ,設計手法の有効性を示した.(著者抄録)