抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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リピートブリーダーとは,機能的卵巣と子宮を持ち,正常な発情周期も正常なウシが,人工授精を繰り返しても着床が困難な不妊状態である。リピートブリーダーは大きな経済的損失を引き起こすので,この問題は緊急に克服されるべきである。近年,次世代シークエンシングによるヒト子宮のミクロフローラの研究は,不妊症が着床と受精率の低下と関連することを示している。子宮ミクロフローラはウシに存在する可能性があるので,リピートブリーディングは子宮ミクロフローラを調節する可能性がある。そこで,16S rRNAアンプリコン配列決定により,ウシにおけるリピートブリーディングに関連する子宮マイクロバイオームを調べた。ウシから無菌的に子宮組織を採取した。子宮内膜炎の診断のための多形核白血球率の測定および子宮における感染のための細菌検査を,採取した組織を用いて実行した。組織からDNAを抽出した後,16S rRNA遺伝子のV3-V4領域を増幅し,分析した。59頭のウシの子宮組織を採取し,子宮マイクロバイオームを分析した。主要な細菌分類群はFirmicutes(46%),Bacteroidota(11%),Proteobacteria(6%)およびActinobacteriota(5%)であった。さらに,20頭のウシを選択し,子宮内膜炎と細菌感染の交絡因子を除くために子宮マイクロビオームを分析した。種々の計量におけるミクロバイオーム多様性を,非リピートブリーダー牛とリピートブリーダー牛の間で最初に比較した。計量のほとんどにおけるマイクロバイオーム多様性は異ならなかったが,Pielou’s evennessでは統計学的に有意差を示した。さらに,非リピートブリーダーとリピートブリーダー牛の間のマイクロバイオームの差次的存在量を分析することで,非リピートブリーダー牛は,リピートブリーダー牛より,酪酸生産細菌,Lachnospiraceaeのより高い比率を持つ傾向があった。更なる研究は,子宮マイクロバイオームとリピートブリーディングの間の因果関係を理解するために必要である。(翻訳著者抄録)