抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鹿児島県桜島には火山噴火の影響により遷移段階の異なる森林が成立している。遷移段階の異なる森林土壌での実生の成長に及ぼす菌根形成の影響を明らかにするため,クロマツ林とマテバシイ林から採取した土壌及びそれらを滅菌した土壌でクロマツとマテバシイの実生を3ヶ月間生育させ,菌根形成と実生の成長量を比較した。滅菌土壌では菌根は形成されなかった。非滅菌土壌ではクロマツ実生の菌根化率はクロマツ林土壌で有意に高く,マテバシイ実生では林分間で同程度だった。クロマツ実生の成長量は両林分とも非滅菌土壌の方が滅菌土壌よりも有意に大きかったが,マテバシイ実生の成長量では滅菌土壌と非滅菌土壌で有意差はなく同程度だった。このように,遷移段階の異なる森林土壌において,クロマツ実生の初期成長には菌根形成による成長促進の影響が一定の役割を果たすが,マテバシイ実生の初期成長では菌根形成による成長促進の影響は小さく,これは堅果からの栄養分供給の影響を強く受けているからだと考えられた。(著者抄録)