抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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時間域の境界積分方程式の離散近似を求めるためにLubichの演算子積分法を適用すると安定な近似解法が導け,Laplace変換が得られていれば時間領域境界要素法を定式化できる。本論文では,境界上の要素数M,離散化パラメータLとするとき積分区間のステップ数Nまでの時間ステップ解析の計算量がO(M
2LN),必要記憶容量がO(M
2L)となることを説明した。次に,高速多重極法のための道具立てとして,1)基本解の多重極展開,2)場の多重極展開から局所展開への変換,多重極・局所展開の展開中心の移動,3)多重極モーメント及び局所展開係数のスケーリングについて述べた。また,時間ステップ方程式における行列-ベクトル積の計算に高速多重極法を適用すると,実質的には計算量O(MLN),必要記憶容量O(ML)となることを示した。実際に半径aの円形空洞による平面入射波の散乱問題を解析し,演算子積分境界要素法(BEM)と比較したところBEMの計算時間は要素数の2乗に比例したのに対し,本解法は要素数にほぼ比例した。すなわち,要素数が大きくなるとBEMよりも高速に計算が行えることが確かめられた。