抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,生物学的リン除去の不安定化要因として,界面活性剤に着目した。そして,都市下水を処理する実験室規模の嫌気好気回分装置に,185日間にわたり,この下水中のLAS濃度の4倍程度に相当する洗濯洗剤を強制添加し続けることにより,PAOsの酢酸摂取効率に及ぼす影響やPHA源としての潜在的な利用可能性という二つの側面を調べた。この条件において,+ΔP/-ΔAcは徐々に増加し,最大で2.0g-P・g-C
-1にまで達した。既報によると,これはpHが8.5程度のときの値に相当するが,洗剤に曝され続けたことにより,PAOsの酢酸摂取効率が悪化したためであったと解釈できた。一方,人為的に酢酸摂取を抑制した汚泥を用いることにより,嫌気条件下でLASやAEから酢酸が生成することが明確に観察できたことから,これらはPAOsの潜在的なPHA源になるという側面も明らかとなった。また,LAS由来の低級脂肪酸ではない有機物が,PAOsに摂取されていたことや,そのリン放出に対する寄与は,生成した酢酸よりも高かったことも見出された。さらに,このような有機物を摂取できるが酢酸は摂取できないPAOsが存在し,これが実験期間にわたり次第にリン除去に寄与するようになったことも明らかとなった。(著者抄録)