抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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貨物列車では,同一線区を走行する高速列車に影響を与えないような動力性能を満たす必要がある。機関車列車は編成内の駆動軸が少なく,軸重制限の範囲内で有効に牽引力を引き出すためには繊細な動輪周引張力制御が必要になる。まず,台車・車体の挙動が粘着に及ぼす影響を説明し,これまでに行われてきた,有効に牽引力を引き出す工夫,空転させにくい工夫について述べた。次に,空転防止を考慮した主回路システムの例を紹介した。また,空転対策と軸重移動対策の変遷についても紹介した。鉄道総研では,更なる粘着力有効利用に関し,電動機制御系と台車・車体機械系を含めた総合的な基礎的研究を実施している。最近では,電気車ミニモデルを開発し様々な角度から台車・車体が粘着に及ぼす影響を調査している。ミニモデル車両を用いて,速度ゼロから車両起動直後に発生した第1軸の空転が第2軸の空転を誘発し,両軸とも空転が収束しなくなる現象(連れ回り空転)が再現された。また,空転誘発を抑制するトルク制御を行うと,連れ回りをほぼ抑制できた。これらの基礎的な試験結果より,動的な軸重移動補償を電気的に行える可能性を示した。