抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
2004年10月23日に発生した平成16年新潟県中越地震(M6.8)により,新潟県旧山古志村周辺では地すべり・崩壊が多発し,大きな被害を受けた。本地域は第三紀層地すべりと呼ばれる地すべりの多発地帯で,過去に滑動した痕跡を示す地すべり地形斜面の再滑動も多く見られた。その実態と運動特性を明らかにするために,旧山古志村を中心に現地調査ならびに地震発生前後の地すべり分布図を用いて地形解析を行った。その結果,地すべり地形斜面も今回の地震により発生した地すべり・崩壊も当地域の地質構造を反映して概して西向きの斜面に卓越していることがわかった。また,今回の地震で発生した地すべり・崩壊数の約半数近くは地すべり地形斜面で発生している。しかし,そのほとんどが部分的な再滑動で,地すべり土塊全体が再滑動した地すべりは地震で発生した地すべり・崩壊総数の約5%であった。さらに,この地すべり土塊全体が再滑動した地すべりを抽出し,その変動量と地すべり地形斜面形成時の変動量を比較検討したところ,両者とも移動方向,幅方向にはそれほど伸縮・拡散しないで移動したこと,ならびに地すべり土塊の流動性を示す等価摩擦係数(最大移動高/最大水平移動距離)については,再滑動した地すべりのほうが地すべり地形斜面形成時の運動に比べて流動性が高いが,どちらも崩壊源の斜面勾配と比例関係にあることが明らかになった。(著者抄録)