抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高経年大規模アーチダムの現在の動的特性を把握することを目的として,多数の加速度センサを短期的に設置した高密度振動計測(以降,「高密度計測」と略す)と,2台の加速度センサを用いた長期常時微動継続計測(以降,「長期計測」と略す)の2種類の常時微動計測を実施した。対象ダムは九州電力(株)一ツ瀬ダム(竣工1963年)であり,高密度計測に基づいて固有振動数と固有モードの関係を同定するとともに,長期計測に基づいて固有振動数の約1年間にわたる変化を分析した。その結果,低次3次の固有振動数の季節的な変化には,従来から知られているダム水位依存性に加えて,ダム表面温度に依存した変化が含まれることを示す実測データを得ることができた。さらに,近年の地震観測データ,および建設当時の起振実験結果との比較から常時微動計測データにより評価した固有振動数は,近年の地震観測データで得たものと概ね一致すること,振動モードは建設当時の起振実験で得られたモードと一致することを確認した。このことは,建設当時と現在の一ツ瀬ダムの動的特性に変化がないことを示すだけでなく,高密度計測と長期計測を併用した常時微動評価の有用性を示している。(著者抄録)