抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年の制御システムにおいて,通信の果たす役割が大きくなっている。ネットワーク化制御システムにおいて,大きな特徴として現れる問題はシステム内の通信に対する制約である。従来の制御理論では,通常はフイードバック系内の信号伝送に無限の通信レートを仮定していた。ところが,共有回線を用いた場合には,各伝送で用いる通信レートには明確な制約があり,それを無視した設計を行った場合には,制御系の性能や安定性に支障をきたす可能性がある.おもな通信制約として,送信中の時間遅れやパケット損失,および信号の量子化が挙げられる。したがって,中心的な課題は,つぎの3点にまとめられる:1)通信制約のモデル化,2)その制約内での各伝送への通信リソース配分,3)通信を考慮した制御系の解析や設計である.本稿では,ネットワーク化制御に関する著者らの最近の理論的な結果を紹介する.まず前半では,通信制約を考慮した制御系の設計手法を述べた。具体的に制約としては,確率的なパケット損失を中心に,量子化や通信路共有のためのプロトコルも考えた。後半では,本来は通信系を対象としている情報理論を陽に用いて,制御系を解析する手法について述べた。この結果では,制御系内の信号がもつエントロピーの量をはかることで,Bodeの積分公式に対する新しいアプローチを提供している.