抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
群馬県水産試験場(以下「群馬水試」という。)においてアユPlecoglossus altivelis altivelisの種苗生産に用いられている系統(以下「群馬継代系」という。)は,1970年(昭和45年)に琵琶湖(滋賀県),浜名湖(静岡県)および利根川(群馬県)で採捕されたアユを交配して得た初代(F1)を,今日まで継代飼育してきたものである。この群馬継代系は,国内で最も継代数の多い人工種苗である(2005年親魚はF35となる)。本系統は,解禁当初に友釣りで釣られやすいという評価を得ている。また,選抜育種により産卵期が8月下旬と早期化している。さらに,利根川における再生産には寄与していないと推察されるなど,いくつかの特徴が認められる。アユの漁獲量が近年大きく減少している主な原因として,冷水病の蔓延が挙げられているが,その効果的な対策は未だ確立されていない。最近,海産系人工種苗は,琵琶湖産系や累代系人工種苗に比べて冷水病に耐性が認められるとされ,前者の放流用種苗に漁獲量増大への期待が寄せられるようになってきた。そこで,冷水病耐性などの有用形質をもつ新たな系統を作出することを目的とし,太平洋から利根川に遡上してきた稚アユ(以下「利根川遡上系」という。)を採捕し,群馬水試に搬入して群馬継代系と交配させるための初期飼育を試みた。(著者抄録)