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J-GLOBAL ID：200902225655021934   整理番号：09A0247173

天然抗酸化物質クエルセチンの次亜塩素酸による酸化反応と生成物

著者 (4件)： 廣瀬裕子 (山梨大 教育人間科学) ,  眞野いず美 (山梨大 教育人間科学) ,  杉原知香 (山梨大 教育人間科学) ,  内山久実 (山梨大 教育人間科学)
資料名： 山梨大学教育人間科学部紀要(CD-ROM)  (Bulletin of the Faculty of Education & Human Sciences, University of Yamanashi (CD-ROM))
巻： 9  ページ： 29-37  発行年： 2008年03月18日 
JST資料番号： G0699C  ISSN： 1882-5923  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： クエルセチンは野菜等に含まれる抗酸化成分で様々な病気の予防に役立つ。抗酸化成分は体内で発生する活性酸素と反応し酸化生成物に変換される。本研究では,活性酸素の1つである次亜塩素酸イオンを反応させてできた新たな酸化生成物を分離し,その構造及び抗酸化活性を検討した。クエルセチンのメタノール溶液に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を加え,激しく振り混ぜた後1M塩酸を加えHPLCで分離した。クエルセチンに対する次亜塩素酸イオンのモル比,濃度,反応時間,反応温度等を変えて実験を行った。その結果,7つの酸化物が生成し,NMRを用いてそれらの構造を決定した。7つの酸化物は以下の通り:1)2,5,7,3′,4′-ペンタヒドロキシ-3,4-フラバンジオン,2)5,7,3′,4′-テトラヒドロキシ-2-メトキシ-3,4-フラバンジオン3-ヒドラート,3)8-クロロ-5,7,3′,4′-テトラヒドロキシ-2-メトキシ-3,4-フラバンジオン3-ヒドラート,4)6,6-ジクロロ-5,7,3′,4′-テトラヒドロキシ-2-メトキシ-3,4-フラバンジオン3-ヒドラート,5)8-クロロクエルセチン,6)6-クロロクエルセチン,7)6,8-ジクロロクエルセチン。またこれら酸化物についてDPPHラジカルに対する捕捉活性を測定し,50%のDPPHラジカルを捕捉するために必要な抗酸化物質のμM濃度(IC₅₀)を算出した。その結果,捕捉活性の強さはクエルセチン>8-クロロクエルセチン>6,8-ジクロロクエルセチンの順であった。生体内での次亜塩素酸の酸化反応をクエルセチンが抑制した時のマーカーとしてはメタノールが関与しなくても生成する,上記1,5,6,7の酸化物が使用できると考えた。

シソーラス用語： 食品成分 ,  *酸化防止 ,  酸化防止剤 ,  次亜塩素酸 ,  酸化 ,  酸化物 ,  構造解析 ,  高速液体クロマトグラフィー ,  NMR【磁気共鳴】 ,  バイオマーカー ,  分離 ,  芳香族ニトロ化合物 ,  ヒドラジルラジカル ,  ケトン ,  酸素複素環化合物 ,  多価フェノール ,  フラボノイド ,  芳香族縮合化合物 ,  ヒドロキシケトン
準シソーラス用語： ラジカル捕捉活性

分類 (2件)： 食品の化学・栄養価  (FJ01020J) ,  ピランの縮合誘導体  (CF07093I)

物質索引 (9件)： DPPHラジカル ,  クエルセチン ,  2,3-ジヒドロ-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2,5,7-トリヒドロキシ-4H-1-ベンゾピラン-3,4-ジオン ,  2,3-ジヒドロ-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-メトキシ-3,3,5,7-テトラヒドロキシ-4H-1-ベンゾピラン-4-オン ,  8-クロロ-2,3-ジヒドロ-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-メトキシ-3,3,5,7-テトラヒドロキシ-4H-1-ベンゾピラン-4-オン ,  6,8-ジクロロ-2,3-ジヒドロ-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-メトキシ-3,3,5,7-テトラヒドロキシ-4H-1-ベンゾピラン-4-オン ,  8-クロロクエルセチン ,  6-クロロクエルセチン ,  6,8-ジクロロクエルセチン

タイトルに関連する用語 (5件)： 抗酸化物質 ,  クエルセチン ,  次亜塩素酸 ,  酸化反応 ,  生成物