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J-GLOBAL ID:200902229079843686   整理番号:08A0590183

日本環境思想史研究の課題

著者 (1件):
資料名:
巻: 21  号:ページ: 187-196  発行年: 2008年05月30日 
JST資料番号: L1842A  ISSN: 0915-0048  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 解説  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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本稿は,欧米等の研究者からその意義が指摘されているにもかかわらず,いまだ十分な進展を見ていない日本環境思想史研究の課題について提言するものであり,「1.環境思想史研究の展開」「2.日本環境思想史の研究課題と構想」から成る。1では,1960年代から始まる欧米の環境思想史研究の主要著述,及びそれらから学びつつ90年代から始まる日本環境思想史研究の著述を紹介するとともに,それらの研究史的意義について論述した。特に,欧米における本格的な環境思想史研究の開始を告げるものとして,Linn White Jr.のThe Historical Roots of Our Ecological Crisis(1967)を位置づけ,E.F.SchumacherのSMALL IS BEAUTIFUL(1973)における「仏教経済学」の積極的評価が,現代の環境思想への仏教の寄与という論点の嚆矢であること等を指摘した。また,重厚な思想史的研究の口火を切ったCarolyn MerchantのTHE DEATH OF NATURE(1980)の有機的世界観の再評価を要請する機械論的な近代的世界観と家父長制の批判,及びHans ImmlerのNATUR IN OEKONOMISCHEN THEORIE(1985)の労働価値説批判の研究史的意義を明確にした。続いて,日本環境思想史研究については,宇井純編『谷中村から水俣・三里塚へ』(1991)と中野孝次『清貧の思想』(1992)を先駆として,源了圓「熊沢蕃山における生態学的思想」(1999)を本格的な思想史的研究の嚆矢として位置づけた。2では,日本環境思想史研究の通史的な課題を示すとともに,第1に列島における自然観-環境認識の発生から徳川期までのその展開,第2に徳川日本の環境思想,第3に明治以降20世紀半ばに至る環境思想を明らかにすることの必要性を提起した。そして具体的に,第2に関して五つの論点を示し,さらに第3に関して,田中正造と南方熊楠の環境思想が基軸的位置を占めることを指摘するとともに,その思想史的意義について指摘した。最後に,環境思想史研究の現代的意義にふれつつ,環境思想史研究と共時性の強い環境思想研究(環境哲学・環境倫理学)を架橋することの必要性を指摘した。(著者抄録)
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研究開発 
引用文献 (43件):
  • 佐久間正. 日本環境思想史の構想. 環境と人間. 2004
  • 佐久間正. 日本環境思想史の構想・再論. 井上義彦教授退官記念論集. 2006
  • 青樹簗一訳. 生と死の妙薬. 1964
  • 間瀬啓允訳. 自然に対する人間の責任. 1979
  • HUGHES, Donald. AN ENVIRONMENTAL HISTORY OF THE WORLD. 2001, 116
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