抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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化石を取り扱う古生物学分野の中で顕微鏡を用いて研究を行う微古生物学では,有殻厚生生物の化石から実体モデルを作成して研究・教育場面で活用することが期待されている。本論文では,X線マイクロCT(Computer Tomography)と積層造形法を用い,実物の微化石から実体モデルを造形することで任意のサイズに拡大した物体の観察を実現した。デジタル画像をモニター上で視点を変えたり,回転させたりして観察するのとは異なり,物体の重心やエッジの鋭さを体感できるという利点がある。また,任意の平面で切断したモデルによって殻内部の形状を観察でき,現実の殻からの正確な形状データを用いた精確な内部構造を取得できる。実際に,1)白亜紀最初期の放散虫,2)塔状の放散虫,3)底生有孔虫といった微化石の約800倍実体モデルを3次元プリンターで造形し,視覚障害者用立体教材として活用しているほか,大量生産することで博物館の展示や教育機関向け教材として供給できる見通しが得られた。