抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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微量水分測定の信頼性向上を目標として産総研が策定したシナリオ,それに沿った研究活動,および研究成果によって生じた微量水分測定の信頼性に関する近年の状況変化について紹介した。産総研が策定したシナリオは,微量水分計の目盛りの基礎となる微量水分の国家標準の確立,計測器の校正サービス体系の整備,校正対象となる高性能な計測器が必要であり,このシナリオに沿った研究活動を紹介した。我が国の場合には高度な半導体産業やプロセス産業を有することから,産総研としては自ら一次標準を開発することとし,微量水分発生装置の発生方式の選定において非常にユニークな選択をおこない拡散管法と呼ばれる方式を採用した。次に一次標準器の開発を紹介し,水分蒸発速度の測定,吸着・脱離水分,ゼロガス中の残留水分の測定,および乾燥ガスの流量測定などの研究成果を紹介し,最終的に12~1200nmol/mol(ppb)の微量水分発生が可能な微量水分発生装置の開発に成功したことを示した。また不確かさに関しても3%程度で実現され,微量水分標準が目標通り確立された。これに基づく産総研および(財)化学物質評価研究機構での計測器の校正サービスを紹介した。最後に,微量水分標準に基づく市販の微量水分計の一部に対しておこなった予備的な性能試験結果を紹介し,今後の展望を述べた。