抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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コヒーレントX線回折顕微法(Coherent X-ray Diffraction Microscopy:CXDM)は,X線の干渉性散乱を使う新しい顕微法である。X線の高い透過性と短波長性を利用し,非破壊でマイクロメートルサイズの試料の内部構造解析を10nm程度の空間分解能で可能である。CXDMで得られる試料像は,試料の電子密度分布を反映したものであるため,電子密度の差異に由来するコントラストから元素を識別することは困難であった。本研究では,X線の異常散乱現象を利用して元素識別を行うCXDMを考案し,そのデモンストレーション実験をした。電子密度の近い金属NiとCuで構成された試料を作製し,NiのK吸収端近傍のエネルギーを持つX線を用いて試料からの回折強度パターンを測定することで,CXDMにおいてNi元素の識別に成功した。本手法については,半導体中のドーパントを高分解能で元素マッピングし,その分布による機能発現の解析を行うなど,様々な分野での応用展開が期待されることを述べた。