抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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亜寒帯北太平洋では,近年,Neocalanus属など生物量において優占する大型カラヌス目カイアシ類の生態学的研究が大きく進展した。一方で,個体数において卓越する小型カイアシ類に関しては,標準的に使用されるプランクトンネット(目合>0.2mm)では定量的に採集されないこともあり,現存量などの基礎的な知見でさえ十分でない種が多い。Oithona similisはキクロプス目オイトナ科に属する海産カイアシ類であり,成体で体長0.7-0.9mm程度の小型種である。本種は世界の海洋に広く分布するが,中でも亜寒帯域・極域に高密度に生息しており,しばしばカイアシ類群集中で数的に優占する。亜寒帯北太平洋においても本種が優占することが知られているが,その生態については,鉛直分布などに関する断片的な知見が存在するのみである。本研究では,西部亜寒帯北太平洋の親潮域において,O.similisの鉛直分布,個体群構造および再生産の季節変化を調べ,その個体群動態の特性を明らかにすることを目的とした。(著者抄録)