抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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亜リン酸の葉面散布がコムギの収量と穂発芽およびα-アミラーゼ活性に及ぼす影響を調べ,より効果的な施用法を検討した。さらに,亜リン酸を施用したコムギ子実の発芽性についても調べた。試験は,2002~2004年に,北海道,芽室町および北広島市において,春播きコムギ「ハルユタカ」と秋播きコムギ「ホクシン」を用いて実施した。亜リン酸資材は,28%の水溶性リン酸(全量亜リン酸態P2O5)と26%の水溶性加里(K2O)を含む液状複合肥料を用いた。試験では,散布濃度(希釈倍数250倍,400倍,800倍)および散布回数(開花後10日間隔で2回,3回,4回散布)を組み合わせた試験区を設定した。また,亜リン酸の穂発芽抑制効果を明らかにするために,各試験区の一部試料について降雨処理を行った。その結果,本資材の250倍希釈液の2回散布および400倍希釈の2~4回散布区で3~5%の増収が認められた。降雨処理試験では,亜リン酸施用が降雨処理前後の穂発芽粒率およびα-アミラーゼ活性に及ぼす影響を検討した。その結果,亜リン酸を葉面散布したコムギの子実は,降雨にあっても穂発芽しにくく,α-アミラーゼ活性も低かった。さらに,収穫後半年間貯蔵し,休眠が自然に打破された「ハルユタカ」子実試料に対して,加水処理によって発芽力を検定した。その結果,亜リン酸施用したコムギ種子は,発芽の初動が遅れたが,最終的発芽率は無施用種子と同様の96%に達し,発芽力は維持されていることが示された。