2007,2008年は国際極年(IPY)である。北海道大学はこのIPYプロジェクトに参加して,附属練習船おしょろ丸を用いて,ベーリング海および北極海(チャクチ海)の観測を実施した。従来,植物プランクトン群集の優占サイズは周辺生態系の栄養段階の数(Lalli and Parsons,1993)や,海域の栄養状態の指標(Claustre et al., 1994)となる。本研究では,地球温暖化の影響を最も受けやすいとされる極域・亜寒帯海域の生態系におけるmicroplankton群集優占海域の分布を推定するアルゴリズムを開発するために,生物光学観測を実施した(図1,対象海域)。本研究では,2007年秋季大会で報告したアルゴリズムの,対象海域における実用性および改良の余地について検証する。(著者抄録)