抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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英国に生まれ欧米で展開してきたProcess Intensification(PI)と,その翻訳語であるプロセス強化の現状を比較検討し,それらの動向を探りながら,期待するPIとその実現のための方法論について独自の見解を述べることを目的としている.現状においては,PIはモデルベースのプロセス設計戦略であり,飛躍的な性能向上(Quantum Leap)を目指し,Green Process Engineering(GPE)の中核をなす技術イノベーションと捉えるのが妥当であると考えている.一方,日本におけるプロセス強化は未だ明確に把握することが難しい段階であり,上述のPIと共通した解釈もなされてはいるが,モデルベースの捉え方が異なっているように考えられる.とくに現象論的モデルに立脚しつつ,要素の分解・統合を繰り返しながら設計を行う構成論的設計手法が重視され,飛躍的性能向上の実現を創発(Emergence)に期待することにもなっている.期待するPI技術にとってプロセスシステムの組織的な統合化,すなわちコンパクト化が重要であり,その結果,精密要素が緻密に詰まった複雑なシステムに至ることになるであろう.そして,物質設計→デバイス設計→プロセス設計を通観する複雑なシステム設計戦略が要求され,そこでの最重要難題の一つがダイナミック複雑系のマルチスケール(複数観点)モデリング・シミュレーションであると考えられる.結局,期待するPIは移動現象論に代表される種々の現象論的モデルに基づいて,既往の単位操作設計の枠組みを再構築し,新モデルベース単位操作の統合化によるプロセス技術の設計・開発戦略であると考えられる.残された課題は複雑系の精密で効率的かつ柔軟なモデリング・シミュレーション技術の更なる展開であろう.(著者抄録)