抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高知大学地球環境情報学研究室が運用する「高知大学気象情報頁」には1994年以来大量の気象衛星画像データが保管されている。現在のところ,画像の幾何補正や背景画像(地理情報)を付加した一般向け画像の作成など基本的処理のみが行われているが,その画像から温度・風向・風速といった情報を取り出して整理されてはいない。そこで本研究では,時系列として存在する気象衛星画像の相関関数を求めそれから雲の動き,つまり高層における大気の流れを表す風向・風速を求めることを試みた。本研究で扱う画像は全て「ひまわり6号」(MTSAT-1R)によって観測されたもので,北緯70度から南緯70度,東経70度から西経150度の範囲について4pixel/degreeの緯度経度格子にマッピングされている。この画像を縦横11個ずつのセクション(各セクションは緯度経度10度)に分け,それぞれの中央部分の32×32pixelを相関解析の対象とした。各セクションについて,1時間の観測時間間隔をおいた2つの画像から相関関数を求め,その最大値を示す位置(差)がそのセクションにおける対象物(雲)の移動量であるとすることができる。実際の計算においては,最大値の周辺3×3の格子点における相関値を追加して2次関数による内挿で最大となる位置を求めている。また各セクションにおける相関関数を等高線グラフ化することで,計算の有効性を確認している。以上の結果として,風向・風速を表す矢印を元の雲画像に重ねて表示することができた。この結果をアニメーションに表すことなどにより,雲の動きから求まる風向・風速を視覚的に容易に捉えることができ,今後の研究に有効であると思われる。(著者抄録)