文献
J-GLOBAL ID:200902262748774889   整理番号:08A1053531

神経芽細胞腫におけるALKキナーゼの発がん性変異

Oncogenic mutations of ALK kinase in neuroblastoma
著者 (18件):
資料名:
巻: 455  号: 7215  ページ: 971-974  発行年: 2008年10月16日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
進行神経芽細胞腫は,近年治療法が進歩している小児がんにあっても,最も難治性の高いがんの1つである。神経芽細胞腫では,MYCN遺伝子の高頻度の増幅,1p36および11qにおけるヘテロ接合性の消失,17番染色体長腕の増加をはじめとするさまざまな遺伝的変化が認められ,神経芽細胞腫の病因と密接に関係するとされてきた。しかし,確実性の高い治療分子標的に乏しいことから,神経芽細胞腫を標的とする有効な治療薬の開発は困難であった。今回我々は,非ホジキンリンパ腫の亜型において融合キナーゼ(NPM-ALK)として最初に同定され,また,最近肺腺がんでも別の融合遺伝子(EML4-ALK)として同定されたanaplastic lymphoma kinase(ALK)も,進行神経芽細胞腫においては高頻度に遺伝変異を生じていることを示す。215例の原発性神経芽細胞腫検体の遺伝的異常について,高密度SNPマイクロアレイを用いたゲノムワイド解析を行った結果,MYCN遺伝子座の動原体側にあるALK遺伝子座において,ゲノムコピー数の増加と遺伝子の高度増幅が頻繁に生じていることが明らかとなった。さらに,ALKのDNA配列解析から,新鮮腫瘍215例中13例で(6.1%),また,神経芽細胞腫由来の細胞株24例中8例(33%)で計8つの新たなミスセンス変異が見いだされた。神経芽細胞腫では,1例を除くすべての変異(13例中12例)は,病期3-4の検体に認められ,また,これらの変異はキナーゼドメイン中に確認された。変異型のキナーゼは自己リン酸化されており,野生型のキナーゼと比較してキナーゼ活性が亢進していた。これらのキナーゼによって繊維芽細胞NIH3T3は形質転換し,軟寒天培地におけるコロニー生成能の促進とヌードマウスにおける腫瘍形成を示した。さらに我々は,RNA干渉を用いてALKを抑制することで,変異ALKを有する神経芽細胞腫細胞の増殖を抑制することを示した。これらの知見は,進行神経芽細胞腫の病因に関する新たな視点を提供するとともに,ALKに特異的なキナーゼの抑制により,進行神経芽細胞腫の治療成績が改善する可能性を示唆している。Copyright Nature Publishing Group 2008
シソーラス用語:
シソーラス用語/準シソーラス用語
文献のテーマを表すキーワードです。
部分表示の続きはJDreamⅢ(有料)でご覧いただけます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。

準シソーラス用語:
シソーラス用語/準シソーラス用語
文献のテーマを表すキーワードです。
部分表示の続きはJDreamⅢ(有料)でご覧いただけます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。

分類 (2件):
分類
JSTが定めた文献の分類名称とコードです
遺伝的変異  ,  発癌機序・因子 
タイトルに関連する用語 (5件):
タイトルに関連する用語
J-GLOBALで独自に切り出した文献タイトルの用語をもとにしたキーワードです

前のページに戻る