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J-GLOBAL ID:200902263180249098   整理番号:09A1257898

レーザー・コンプトンγ線による隠匿物の非破壊検査

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号: 668  ページ: 12-15  発行年: 2009年12月01日 
JST資料番号: G0331A  ISSN: 0285-5518  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 解説  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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レーザー・コンプトン効果とは,電子のエネルギーが高いこと,光子としてレーザーを用いることが特徴であり,相対論的効果によって散乱角が電子の進行方向に集約され,シンクロトロン放射光のような鋭いビームとなる。電子加速器集積リング(TERAS)は300~800MeVまで蓄積電子のエネルギーを変えることができるため,赤外から紫外までのレーザーを使って1~40MeVで連続的にエネルギーが可変である光子ビームを得ることができる。また,レーザの偏光がそのままコンプトン散乱した光子に反映されるという特徴がある。現在,産業技術総合研究所は,ウランやプルトニウムなどの核物質や,炭素,酸素,窒素から構成される爆発物の組成をγ線ビームによって非破壊かつ遠隔で検査する研究を行っている。個々の原子核固有の振動数に一致したエネルギーのγ線を,検査対象物に照射すると,ごく短時間の間に励起と緩和が生じ,原子核共鳴蛍光(NRF)γ線が放出される。数MeVのNRFγ線を用いると厚さ数cmの鉄板を透過できるため,コンテナ内部に隠匿された物質の同位体比を遠隔・非破壊で調べることができる。235U,239Puの安定同位体と,核分裂物質を,遠隔かつ非破壊で迅速に識別する技術は,核テロの防止や拡散防止にとって非常に重要である。原子核の固有振動の幅は非常に狭いため,特定の準位を効率的に励起するには励起γ線エネルギー幅が十分に狭いことが望ましく,レーザー・コンプトンγ線はこの条件に適している。また,放射線バックグランドが低く,中性子も原則的に発生しないため遮蔽が簡単でよいなどの利点がある。現在,高エネルギー加速器研究機構と日本原子力研究開発機構が共同で,エネルギー回収型リニアックの建設を進めている。この加速器を用いると,TERASより約7桁硬度の高いγ線が発生でき,港湾,空港等における輸送貨物や手荷物の非破壊検査が実用上可能となる。また,放射性廃棄物中に含まれる放射性同位体の非破壊検査といった原子力産業への応用も期待できる。電子加速器の民間への技術移転には小型化という命題が常につきまとう。加速器全体を空港や港湾に設けた部屋に設置するには,まだ暫くの基礎研究が必要である。加速器技術の小型化は非常に時間のかかる課題であり,マイクロ波に対する材料の絶縁耐力を高める手法を開発するなど,要素技術からの底上げが必要である。
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分類 (1件):
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放射線応用計測 
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