抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本研究では,地下水による海洋への硝酸性窒素(NO
3--N)流出の季節変動特性を明らかにすることを目的とし,瀬戸内海沿岸部に位置する農業流域を対象とし,深度別観測井における水理水頭および地下水中のNO
3--N濃度のモニタリングデータに基づくNO
3--N流出量の評価およびその変動に及ぼす要因についての考察を行った。その結果,沿岸域の浅部地下水におけるNO
3--N濃度は,0.05以下~5.3mgL
-1の間で大きく変動しており,この要因として,地下水流速の変化にともない,脱窒によるNO
3--N濃度減衰が変化することが強く影響していると示唆された。また,NO
3--N濃度の減衰は,地下水流速の変化に対応して変動しており,ダルシー流束が1.8×10
-6cm/s以下において急激な濃度低下がみられた。また,NO
3--N濃度の変動にともない,海洋へのNO
3--N流出量は,浅部地下水において0.006~0.8kgd
-1と大きく変動していると推定された。その結果,年間総地下水流出量は,河川流出量の1.7倍に相当したのに対し,年間NO
3--N流出量は,沿岸域における濃度減衰の影響を受けることから,河川経由の負荷量の約7割であると見積もられた。(著者抄録)