抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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工作機械すべりガイドのしゅう動特性評価で,一般に境界潤滑領域と思われる低摩擦速度条件下である種の潤滑剤により,摩擦速度増加に対して摩擦係数が増加する摩擦係数の速度依存性を広い速度範囲で確認した。本報では低面圧下における摩擦係数の強い速度依存性や極低速での極低摩擦発現要因を検討するため,各種添加剤について境界潤滑領域における摩擦係数の速度依存性を測定し,摩擦面の分析や腐食試験を行った。これにより得た主な知見を次に示した。1)低速度域でのしゅう動面摩擦係数の速度依存性は酸性リン酸エステル添加油で確認したこと,2)酸性リン酸エステルの中でもアルキル基の鎖長が長いものほど速度依存性が高く,低速での摩擦係数が低くなること,3)XPSスペクトルおよび深さ方向の元素分析結果から摩擦係数の速度依存性を示す摩擦面には最表面の有機リン酸化合物層と中間層のリン酸鉄層が形成されていること,4)腐食試験の結果から得られた各種リン酸エステルによる鉄の腐食速度と摩擦係数の速度依存性には相関がないことから,添加剤による無機低せん断被膜の生成が摩擦係数の速度依存性および低速での低摩擦係数を発現する主要因と考えられること,5)極低速度での極低摩擦および境界潤滑領域での摩擦係数の速度依存性は,摩擦面表面の吸着有機膜が関与している可能性があること。