抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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列車の走行に伴って電波雑音が発生し,沿線に放射されることが実測により把握されているが,現状では,列車走行に伴う強度変化などの特性を推定できる実用的な手法が確立されていない。そのため,沿線に放射される電波雑音の諸特性の把握や対策効果の確認を行うためには,コスト・時間のかかる現地試験を実施するしか手段がない。そこで,鉄道総研では,実測に拠らない電波雑音強度の評価手法を確立することを目標として,列車走行に伴う鉄道から沿線への放射強度を推定する手法の基礎検討を2005年度から行ってきている。すなわち,鉄道による電波雑音の放射をモデル化する手法について,いくつかの手法に基づいて実際にモデル化を試行し,目標とする沿線に放射される電波雑音の強度変動特性を求めることができる手法を検討した。その結果,1)鉄道全体を「変電所→トロリ線→車両→レール→変電所」という電流の流れで構成される大きなアンテナとみなす,2)車両に搭載されている電カ変換器と集電機構における離線を電波の発振源,トロリ線とレールを電波の放射エレメントとしてモデル化する,手法が実用的な方法として有効であることがわかった。このモデル化手法に基づき,最も構成が単純な直流電気鉄道をモデルケースとして,列車の位置を変えながらモデル化されたアンテナに流れる特定の周波数の高周波電流分布をモーメント法で求め,沿線で受信される電波雑音強度の変動を計算した結果,実測で見られる強度変動の傾向を再現できることを確認した。