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J-GLOBAL ID:200902282857681204   整理番号:09A0925883

爬虫類の心臓発生と心室の進化の分子基盤

Reptilian heart development and the molecular basis of cardiac chamber evolution
著者 (28件):
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巻: 461  号: 7260  ページ: 95-98  発行年: 2009年09月03日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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陸生動物の出現は,より高度に発達した循環器系の必要性を立証することになった。このために,鳥類,哺乳類,ワニ類では,心臓を左右に分ける完全な中隔形成が進化し,内温性が進化する必要条件である,分離された肺循環系と体循環系の獲得が可能となった。しかしながら,羊膜動物の心臓の進化についてはまだあまりわかっていない。爬虫類の心臓は,単一の心室なのか,あるいは不完全な中隔のある心室をもつのかは,心臓中隔形成の進化を考えるうえで議論されてきた。本研究では,発生中の心室での遺伝子発現に注目して,ミシシッピアカミミガメ(Trachemys scripta elegans,カメ目)とグリーンアノール(Anolis carolinensis,有鱗目,トカゲの一種)の心臓発生を調べた。これらのいずれの爬虫類でも,初めはT-box転写因子遺伝子であるTbx5を均一に発現する心室が形成される。一方,鳥類や哺乳類では,Tbx5は左心室の前駆構造に限局している。その後カメでは,Tbx5の発現は明確な左心室にしだいに限局され,左右勾配を形成するが,これはトカゲでは起こらない。このことからTbx5の発現は,心室のパターン形成が進化する過程で精密化されたことが示唆される。この仮説の裏付けとして,マウスの心室でTbx5を欠失させると,明瞭な独自性のない単一の心室が形成されることを示す。これは中隔形成にTbx5が必要であることを示唆している。重要なことに,爬虫類での発現パターンを再現させた発生中の心筋全体にわたってTbx5を異所的に発現させると,中隔を欠く異常なパターンの単一の心室が生じる。したがって,心室の中隔形成は,正しい位置での急なTbx5濃度勾配によって確立されている。今回の知見は,羊膜動物の心室の進化における分子機構を示し,発生調節因子の発現変化が脊椎動物進化の重要な機構であるという概念を裏付けている。Copyright Nature Publishing Group 2009
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分類 (2件):
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発生と分化  ,  進化論一般 

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