抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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グラフェンは層状物質グラファイト(黒鉛)の1層分のことで,炭素原子の六員環が連なって平面状になった理想的な2次元材料である。1層のグラフェンが発見されたのは最近のことで,同時に非常に優れた電気的・熱的性質を持つことが明らかとなった。そのためグラフェンは,将来のエレクトロニクス材料として注目されている。富士通研究所は第一原理計算と呼ばれる実験に依存するパラメタを用いない手法で,数層までのグラフェンの電界下の電子状態や金属電極との界面の電子状態を解明した。またそれに基づいてトランジスタ特性を予測するとともに,数層のグラフェンが,現在最も高周波応答に優れているInP-HEMTを超える魅力的な高速・高周波トランジスタチャネル材料となり得ることを示した。さらに実験的には,基板上へのグラフェンや,グラフェンとカーボンナノチューブの複合構造の合成に成功した。本稿では,グラフェンの応用を目指した,このような富士通研究所の理論的,実験的取組みについて紹介する。(著者抄録)