抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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海底の詳細なリアルタイムの,長期にわたるモニタリング能力は,プレート境界近くでの巨大衝き上げ地震の理解と予報に効果的である。高密度のリアルタイム海底センサ網の展開が,これを実現すると示唆されている。長期にわたる大規模(高密度)システムの維持は,海中技術の大きな挑戦の一つである。日本には,30年に渡る,インラインセンサーが装着された海底ケーブル利用の実績がある。しかし,これら従来型の高信頼性海底リアルタイム観測システムは大規模システムを長期維持するのに適さない。新しい設計思想と実用的なシステム管理が海底センサー網の実現に必要である。南海トラフの観測能力を改善する目的で,DONET(地震・津波観測監視システム)プロジェクトがMEXT(文部科学省)によって予算化され,JAMSTEC(海洋開発研究機構)によって,2006年より開始された。DONETは,プレート境界活動に関連した地震,津波,海底における近くの動きのモニタリングに焦点をあてている。この観測網では,少なくとも20の海底センサーを設置する予定であり,それらは15から20kmの間隔で,地上の地震観測網では捉えられない詳細なモニタリング能力を得るために展開される。センサーがシステムの信頼性を保障する最も重要な部分であることから,センサーユニットの増加は全体システムの信頼性に大きな影響を及ぼす。新しい設計アプローチが,長期間(20年から30年)観測のための大規模システムを確実に維持するために必要となる。交換可能で,維持管理でき,拡張できるシステム構成と,内部,外部システムの故障に対する冗長性が,この観測網システム開発の鍵となる技術である。DONETのコンセプトは異なる信頼性の3つのシステム要素からなる。高い信頼性のバックボーンケーブルシステム,交換できる科学ノード,拡張性をもつ先進的センサーが,このシステムの主要な構成要素である。20個のセンサーユニットが,2006年からの4年間に,巨大衝き上げ地震の地震帯に設置される。