抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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靴による騒音の原因を明らかにするために,成人女子を被験者として,靴のデザインやトップピース(ヒール本体の磨耗を防ぐために取り付けられたゴムなどの部品)の素材の異なる靴の着用実験を行い,騒音レベルの測定と周波数分析を行った結果(騒音計と1/3オクターブ実時間分析カード使用),次のことが明らかとなった。1)騒音に関するフィールド調査の結果,屋内の金属製階段の下りでは,靴のデザインにかかわらず,騒音レベルは約90dBと非常に高かった。中でもトップピースが外れてヒールを補強する鉄芯が露出した状態では,3kHzの高い周波数において騒音レベルが高かった。2)階段の下りの騒音レベルは,上りや平地歩行に比べて高かった。これは着地時にヒールの先端に体重がかかり,勢いよく床をたたきつけるため,大きな靴音が発生するものと考えられる。3)靴のデザインでは,踵が離れやすいトングサンダル(草履のような鼻緒式のサンダル)の騒音レベルが最も高かった。ミュール(踵部分のないつっかけスタイルの履物)ではストラップバンドをつけることにより,騒音レベルの低下が認められた。4)トップピースの硬度が高いと,高周波数領域での騒音レベルは高く,耳触りな騒音であることが明らかになった。この傾向はトップピースが外れて,ヒールを補強する鉄芯が露出した状態に著しかった。5)騒音を意識して小さくすることにより,騒音レベルと周波数の低下が明らかとなった。