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J-GLOBAL ID:200902298778289645   整理番号:09A0508359

レチノイン酸が誘導する顆粒球分化過程におけるヒストンメチルトランスフェラーゼのNアセチルグルコサミン化

GlcNAcylation of a histone methyltransferase in retinoic-acid-induced granulopoiesis
著者 (11件):
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巻: 459  号: 7245  ページ: 455-459  発行年: 2009年05月21日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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ヒストン尾部の翻訳後修飾は,「ヒストン暗号(ヒストンコード)」として,クロマチンの局所的な状態や全体的な状態を決める働きをする。それによる遺伝子機能の制御は,細胞の運命,増殖,分化を支配すると考えられている。メチル化といった可逆的なヒストン修飾は,相互に制御し合いながら染色体がかかわる現象を調整する。ヒストン修飾の中で,特異的なリシン,アルギニン残基のメチル化が,クロマチンの構造と遺伝子発現の制御に極めて重要らしい。ヒストンH3のリシン4(H3K4)がメチル化されると,クロマチンを変化させて転写が活発に行われる状態にする。血清中のグルコース濃度に応答して起こるタンパク質のβ-N-アセチルグルコサミン(O-GlcNAc)による可逆的修飾は,細胞内のさまざまな過程を調節している。しかし,タンパク質のNアセチルグルコサミン化のエピジェネティックな作用については,まだ解明されていない。今回我々は,核内でヒストンリシンメチルトランスフェラーゼ(HKMT)MLL5がO-GlcNAcトランスフェラーゼ(O結合型Nアセチルグルコサミン転移酵素)によってNアセチルグルコサミン化されると,H3K4のメチル化を介して,ヒトHL60前骨髄球のレチノイン酸の誘導による顆粒球への分化が促進されることを明らかにする。MLL5は,生化学的には核レチノイン酸受容体RARα(RARAともよばれる)に結合するNアセチルグルコサミン化依存性の多サブユニット複合体中に存在し,H3K4に対するモノメチルトランスフェラーゼ,ジメチルトランスフェラーゼとして働く。MLL5のSETドメインのThr440がNアセチルグルコサミン化されると,そのH3K4HKMT活性が誘導され,標的遺伝子プロモーター中のRARαを共役活性化する。O-GlcNAcトランスフェラーゼによる核内でのNアセチルグルコサミン化が亢進すると,レチノイン酸誘導性のHL60の顆粒球分化過程が促進され,レチノイン酸抵抗性のHL60-R2細胞株でもレチノイン酸応答が回復する。したがって,核内でのMLL5のNアセチルグルコサミン化は,HKMT活性を介して,HL60の細胞系列決定の引き金となる。Copyright Nature Publishing Group 2009
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分類 (2件):
分類
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遺伝子発現  ,  白血球,リンパ球 

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