特許
J-GLOBAL ID:200903075698737757

原子間測定技術

発明者:
出願人/特許権者:
代理人 (1件): 古谷 馨 (外2名)
公報種別:公表公報
出願番号(国際出願番号):特願平9-541935
公開番号(公開出願番号):特表2000-511634
出願日: 1997年05月20日
公開日(公表日): 2000年09月05日
要約:
【要約】走査型トンネル電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、或いは容量性又は磁場検知システムなどで改良されたリアルタイムの連続的なナノメートルスケールのセンシングプローブの位置測定データを生成し、原子表面や他の周期的信号を持った表面、例えば回折格子やそれに類似したものをプローブに対して相対的に移動させながら相対的なプローブの距離および位置を測定するための方法および装置。プローブと表面との間にセンシングするための場を設け、プローブを正弦波状の電圧を制御することにより高速に振動させ、この振動によりセンシング場の電流によって生成された正弦波状の出力電圧の位相及び/又は振幅を比較して、最近接原子や波打った表面の一番近い峰からの距離と方向を示す位置信号を求める。所望の場合には、この一信号をフィードバックして、プローブと表面の間での相対的な動きを制御する。この改良型の動作は、特にプローブの固有周波数近傍において、プローブを駆動する正弦波電圧と実際のプローブ振動との間の位相遅れにより生ずる誤差を部分的に又は完全に除去することにより達成され、かくして速度の増大、周波数応答及び信頼性の向上がもたらされる。またプローブが表面と衝突する可能性や、その他のプローブと表面の間のギャップ制御の問題を防止する。さらに、絶対的な位置決めをもたらし、特にモノリシックな結晶ウエハ一構造の、単独又は多重プローブの、改良されたマイクロマシーン加工されたプローブデザインをもたらす。
請求項(抜粋):
1.周期的信号を持った表面をその表面とプローブが相対的に移動しながら走査 することにより、リアルタイムかつナノメートルスケールの位置測定を行う方 法であって、プローブと表面との間にセンシングするための場を設け、プロー ブを正弦波状の電圧を制御することによりプローブ原点の周りで前記走査中に 振動させ、この振動によりセンシング場によって生成され表面を通過した後の 正弦波状の出力信号を測定し、制御電圧と出力電圧の位相ならびに振幅を前記 出力正弦波電圧と前記制御正弦波電圧を掛け合わせることにより比較し、その ような比較をもとに位置信号を波打った表面の一番近い峰からの距離と方向、 つまり表面に沿ったプローブの位置を正弦波制御電圧と実際のプローブ振動と の間の位相遅れを完全に除去し、連続的に求める方法。2.位相遅れの除去とは実際のプローブの振動変位を検出し、その信号に応じて 周波数シンセサイザーを制御しそのようなプローブ振動に同期した正弦波状の 信号を生成するもので、その生成信号を正弦波制御電圧のかわりに掛け算する ことにより実施される請求項1に記載の方法。3.位置信号がプローブと表面の相対的な動きを制御するためにフィードバック される請求項1に記載の方法。4.プローブ振動の中心位置が、位相検出後の出力信号によって常にnπかπ/2+ nπになるように制御される請求項1に記載の方法。5.対になって離れて振動しているプローブが用いられ、一つはX軸のような一 次元上の位置信号を求めるために、もう一つは前記プローブとは振動周波数は 同じであるが位相がずれるように振動し、Y軸のような直交方向の位置信号を 求める請求項1に記載の方法。6.プローブが各々にたいして相対的な振動方向が直交するように表面上に配置 された請求項5に記載の方法。7.離れて同様に振動しているプローブ対が採用された請求項1に記載の方法。8.一次元の位置測定を行うために、各々のプローブが前記方向に沿って振動し 、走査が行われる請求項7に記載の方法。9.プローブと表面の距離(ギャップ)が検出され、それによって生じる信号が 、 プローブが表面に接触することを避けるためにフィードバックされる請求項1 に記載の方法。10.検出とは表面のピークに対応する最大出力電圧をプローブ振動の1周期よ り長いめにホールドするもので、その電圧をプローブと表面の最小距離を制御 するようにフィードバックされる請求項9に記載の方法。11.ホールドが表面の次のピーク(検出)のために続いてリセットされる請求 項10に記載の方法。12.出力信号対ギャップが最小ギャップに近づくにつれ急に立ち上がるように 非線形にマッピングされ、そのようなマッピングがフィードバック信号に利用 される請求項9に記載の方法。13.プローブがマイクロマシーニングによって槍の穂先上に形成される請求項1 に記載の方法。14.金属フィルム電極表面がプローブである請求項13に記載の方法。15.プローブ先端が曲率半径を持つ刃状になるように、対称に薄くされる請求 項13に記載の方法。16.プローブがシリコンなどの結晶ウエハーからモノリシックなプローブ セ ンサー/アクチュエータとして機能するように形成される請求項14に記載の 方法。17.プローブが電子発振回路の一部として配線される請求項16に記載の方法。18.プローブの対がとなり同士の少しずつ異なった周期を持つ回折格子の上で 振動し、それぞれの波打った表面の一番近い峰からの距離と回折格子の周期と の異なる比を求め、そのような比の違いを計算することにより絶対位置を求め る請求項7に記載の方法。19.プローブが隣接した回折格子の上でXY方向に同時に振動し、それぞれの 波打った表面の一番近い峰からの距離と回折格子の周期の比を比較し、絶対位 置を求める請求項1に記載の方法。20.プローブが回折格子表面に対しやや傾斜した面上で振動し、その傾きをプ ローブと回折格子から光を反射させ、反射光の強度の差を検出することによっ て求める請求項1に記載の方法。21.プローブが複数の電極のセットによって供給され、それぞれが走査電流出 力信号を生成し、マルチプレキシングや、それら複数の電流信号を同時に対応 する出力正弦波電圧に変換し、位置信号を求める請求項1に記載の方法。22.プローブが層状の電極によって隣り合った複数のプローブを形成する請求 項21に記載の方法。23.原子表面とプローブが相対的に移動している時に、トンネル電子顕微鏡プ ローブが原子表面をトラッキングしリアルタイムかつナノメートルスケールの 位置測定を行う方法であって、プローブと表面原子との間にトンネル電流が流 れるようにし、プローブを正弦波状の電圧を制御することによりプローブ原点 の周りで前記トラッキング中に振動させ、この振動によりトンネル電流によっ て生成され表面の原子を通過した後の正弦波状の出力信号を測定し、制御電圧 と出力電圧の位相ならびに振幅を前記出力正弦波電圧と前記制御正弦波電圧を 掛け合わせることにより比較し、そのような比較をもとに位置信号を波打った 表面の一番近い峰からの距離と方向、つまり表面に沿ったプローブの位置を正 弦波制御電圧と実際のプローブ振動との間の位相遅れを完全に除去し、連続的 に求める方法。24.周期的に物理的、電気的あるいは磁気的にピークと谷が交互に変化する表 面に沿ってその表面とプローブが相対的に移動しながら走査することにより、 リアルタイムかつナノメートルスケールの位置測定を行う方法であって、物理 的、電気的あるいは磁気的なセンシングに適当なプローブと表面との間にセン シングするための場を設け、プローブを正弦波状の電圧を制御することにより プローブ原点の周りで前記走査中に振動させ、この振動によりセンシング場に よって生成され表面を通過した後の正弦波状の出力信号を測定し、制御電圧と 出力電圧の位相ならびに振幅を前記出力正弦波電圧と前記制御正弦波電圧を掛 け合わせることにより比較し、そのような比較をもとに位置信号を波打った表 面の一番近い峰からの距離と方向、つまり表面に沿ったプローブの位置を正弦 波制御電圧と実際のプローブ振動との問の位相遅れを完全に除去し、連続的に 求める方法。25.表面とプローブが相対的に移動しながらセンサプローブによって周期的な 信号を持った表面を走査することにより、リアルタイムかつナノメートルスケ ールの位置測定を行う装置で、前記プローブとそのプローブと表面との間に( 信号の)流れを形成し、プローブに正弦波状の制御電圧を加え原点の周りで振 動させ、この振動により表面の原子を通過した(信号の)流れによって生じた 正弦波状の出力電圧を測定し、制御電圧と出力電圧の位相ならびに振幅を前記 出力正弦波電圧と前記制御正弦波電圧を掛け合わせることにより比較し、その ような比較をもとに位置信号を波打った表面の一番近い原子や波打った表面の 峰からの距離と方向、つまり表面に沿ったプローブの位置を正弦波制御電圧と 実際のプローブ振動との間の位相遅れを完全に除去し、連続的に求める装置。26.位相遅れの除去とは実際のプローブの振動変位を検出する回路、その信号 に応じてプローブ振動に同期した正弦波状の信号を生成する周波数シンセサイ ザーそして、その生成信号を正弦波制御電圧のかわりに掛け算器に入力する手 段よりなる請求項25に記載の装置。27.周波数シンセサイザーが位相ロックループを採用する請求項26に記載の装 置。28.プローブと表面の相対的運動を制御するように位置信号をフィードバック するためのフィードバック回路が構成される請求項25に記載の装置。29.プローブ振動の参照中心位置を示す位相検出後の出力信号が常にnπかπ/2 +nπになるようにそのような中心位置が制御される請求項25に記載の装置。30.対になって離れて振動しているプローブが用いられ、一つはX軸のような 1次元上の位置信号を求めるために、もう一つは前記プローブとは振動周波数 は同じであるが異なる位相で振動し、Y軸のような直交方向の位置信号を求め る請求項25に記載の装置。31.プローブが各々に対して表面上に相対的な振動方向が直交するように配置 された請求項30に記載の装置。32.離れて同様に振動しているペアのプローブが採用された請求項25に記載の 装置。33.一次元の位置測定を行うために、各々のプローブが前記方向に沿って振動 し、走査が行われる請求項32に記載の装置。34.プローブと表面の距離(ギャップ)が検出され、それによって生じる信号 が、プローブが表面に接触することを避けるためにフィードバックされる請求 項25に記載の装置。35.表面のピークに対応する最大出力電圧を検出する回路で、プローブ振動の1 周期より長いめにホールドし、その電圧をプローブと表面の最小距離を制御す るようにフィードバックする請求項34に記載の装置。36.ホールドが表面の次のピーク(検出)のために続いてリセットされる請求 項35に記載の装置。37.出力信号対ギャップが最小ギャップに近づくにつれ急に立ち上がるように 非線形にマッピングされ、そのようなマッピングがフィードバック信号に利用 される請求項34に記載の装置。38.プローブがマイクロマシーニングによって槍の穂先上に形成される請求項25 に記載の装置。39.金属フィルム電極表面がプローブである請求項38に記載の装置。40.プローブ先端が曲率半径を持つ刃状になるように、対称に薄くされる請求 項38に記載の装置。41.プローブがシリコンなどの結晶ウエハーからモノリシックなプローブ セ ンサー/アクチュエータとして機能するように形成される請求項39に記載の 装置。42.プローブが電子発振回路の一部として配線される請求項41に記載の装置。43.プローブの対がとなり同士の少しずつ異なった周期を持つ回折格子の上で 振動し、得られるそれぞれの波打った表面の一番近い峰からの距離と回折格子 の周期の異なる比を求め、そのような比の違いを計算することにより絶対位置 を求める請求項32に記載の装置。44.プローブが隣接した回折格子の上でXY方向に同時に振動し、それぞれの 波打った表面の一番近い峰からの距離と回折格子の周期の比を比較し、絶対位 置を求める請求項25に記載の装置。45.プローブが回折格子表面に対しやや傾斜した面上で振動し、その傾きをプ ローブと回折格子から光を反射させ、反射光の強度の差を検出することによっ て求める請求項25に記載の装置。46.プローブが複数の電極のセットによって供給され、それぞれが走査電流出 力信号を生成し、マルチプレキシングや同時にそれら複数の電流信号を同時に 対応する出力正弦波電圧に変換し、位置信号を求める請求項25に記載の装置。47.プローブが層状の電極によって隣り合った複数のプローブを形成する請求 項46に記載の装置。48.周期的信号を持った表面をその表面とプローブが相対的に移動しながら走 査することにより、リアルタイムかつナノメートルスケールの位置測定を行う 装置で、プローブがマイクロマシーニングによって槍の穂先の状に形成される 装置。49.金属フィルム電極表面がプローブである請求項48に記載の装置。50.プローブ先端が曲率半径を持つ刃状になるように、対称に薄くされる請求 項48に記載の装置。51.プローブがシリコンなどの結晶ウエハーからモノリシックなプローブ セ ンサー/アクチュエータとして機能するように形成される請求項49に記載の 装置。52.プローブが電子発振回路の一部として配線される請求項51に記載の装置。53.プローブが層状の電極によって隣り合った複数のプローブを形成する請求 項25に記載の装置。54.プローブが回折格子表面やその他同様物に対しやや傾斜した面上で振動し、 その傾きをプローブと回折格子から光を反射させ、反射光の強度の差を検出す ることによって求める装置。
IPC (3件):
G01N 37/00 ,  G01B 7/34 ,  G01B 21/30
FI (3件):
G01N 37/00 A ,  G01B 7/34 Z ,  G01B 21/30 Z
引用特許:
審査官引用 (1件)
引用文献:
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