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J-GLOBAL ID：201002201301297210   整理番号：10A0609323

ベトナムにおける歴史的教会堂の修復の実態について-ファットジェム小教区のファットゴァイ教会堂を例に-

ON THE RESTORATION OF HISTORICAL CHURCHES IN VIETNAM-The case of Phat Ngoai church in Xu Phat Diem-

著者 (3件)： 大橋竜太 (東京家政学院大) ,  片野朋治 (日本学術振興会) ,  山田幸正 (首都大学東京 大学院都市環境科学研究科)
資料名： 日本建築学会技術報告集  (AIJ Journal of Technology and Design)
巻： 16  号： 33  ページ： 757-760  発行年： 2010年06月20日 
JST資料番号： L4777A  ISSN： 1341-9463  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 短報  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： ベトナムでは16世紀のキリスト教伝来以来,多数の教会堂が建てられたが,特に北部の紅河水系のデルタ地域や海岸地域に多い。教会堂の内20%程度は植民地時代の木造の歴史的遺構で,伝統的構法とキリスト教文化が融合した独特の建築だが,修復が独自のシステムで,自主的に行われているものの問題も多い。ここではハノイに隣接する教区での教会関係者への聞き取り調査と修復工事現場の実見をもとに,ベトナムの歴史的建造物の修復の一端を明かし,問題点を整理した。

シソーラス用語： *歴史的建造物 ,  実態調査 ,  事例研究 ,  教会 ,  ベトナム社会主義共和国 ,  現地調査 ,  修理 ,  文化 ,  古建築
準シソーラス用語： ハノイ ,  *ファットゴァイ教会堂 ,  文化財 ,  *文化財修理 ,  聞き取り調査

分類 (2件)： 建築物の維持・管理  (RB01020X) ,  各種建築物一般  (RB05010O)

引用文献 (10件)：

• 1) ベトナムの教会組織は、次のような構成をとっている。最上位にベトナム大教区が位置し、それが北部のハノイ(Hà N ội)と中部のフエ(Hu ế)と南部のホーチミン(TP.HCM)の3つの⌈主教区:(Tổng Giáo Phận)⌋に分割される。その下に⌈教区(Giáo Phận)⌋、次に⌈中教区(Giáo Hạt)⌋、⌈小教区(Xứ)⌋と続き、さらにその下に、末端の信者組織(Họ)がくる。それぞれのレベルでおのおの教会堂をもつが、末端組織の教会堂の⌈巡回教会堂⌋は、小教区の教会堂が兼ねる場合もある。巡回教会堂は神父が常駐せず、小教区の神父が巡回して礼拝を行なう。また、巡回教会堂には、神父が管轄しない⌈ソム(Xóm)⌋と呼ばれる教会堂が付属する場合もある。
• 2) ⌈Giáo Hội Công Giáo Việt Nam 2005⌋によると、ブイチュ教区では人口の28%が、ファットジェム教区では16%が信者であり、 ベトナム全体の信者割合の7%に対して、突出していることがわかる。
• 3) 2007-09年の悉皆調査によってNinh Bình、NamĐịnh、TháiBình省の3省に、計298棟の木造教会堂の存在が確認された。片野朋治·羽生修二·山田幸正、⌈旧ブイチュ教区におけるカトリック教会堂建築の現状について⌋(2007年度日本建築学会関東支部研究報告集、pp.317-320) 「旧ブイチュ教区における現存教会堂の分布について」(2008年度日本建築学会学術講演梗概集、pp.145-146)
• 4) 教会堂の修復の方針に関しては、神父が強い発言権を有する。この地域の神父は保存を推奨するのが一般的だという(Xứ.Bình Sa教会の管財責任者Vu Van Long氏による)。
• 5) 聞き取り調査を、次の通り実施した。
  2009年9月10日: Họ.Vình Trung教会、管財責任者Trần Văn Thiện氏
  Họ.Phát Th ư ợng教会,管財責任者Lê Văn Quyến氏
  Họ.Vình Hạ教会,管財責任者Phạm Quang Vinh氏
  Họ.Phát Ngoại教会、管財責任者Nguyễn Vặn Huấn氏
  2009年9月11日: Xứ.Bình Sa教会,管財責任者V ũ Văn Long氏
  Xứ.Phát Diệm教会、 Đính Văn Quang氏

タイトルに関連する用語 (4件)： ベトナム ,  歴史 ,  教会堂 ,  修復