抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1990年頃から,急激に日本における交通事故による死者数が減り始めた。この理由として,世代による差異と安全を求めた時代が組み合わさっているのではないかと仮定し,本研究を開始した。世代に着目した理由は,若年層の人口が減る以上に若年層による死者数が急減したことにある。人口構成,年齢構成,地域などから世代および時代が交通事故に与える影響や時代別に実施してきた施策を考察した。その結果,最近になるに従って若年層世代が起こす死亡事故が減ることを定量的に示すことができた。また,高齢層や性別と世代が交通事情によって複合するなどの影響もあることも示した。加えて,1990年前後から,社会全体が交通事故を減らし,そのための努力を長時間に渡って継続したことが,交通事故死者数を減らす大きな効果を発揮したことも明らかにした。しかし,このままでは交通事故死者数の一層の減少を期待できない。これまでの対策を継続すると同時に,高齢ドライバの増加や地域交通の課題に沿ったきめ細かい新たな交通事故対策の立案と実行がこれからの事故減少を進めるにあたって求められると言えた。(著者抄録)